「分析美学におまかせ!」シリーズ(いま考えた)、今回は「即興(improvisation)」です。 ノープランで、とっさに何かをやる技法。とりわけ音楽において用いられることの多い「即興」だが、古典的な音楽哲学ではいまいち扱いにくい、というのが今回のポイント。 そんな「即興」をなんとか記述/説明しようという論者たちによって、「即興の哲学」とも呼ぶべきフィールドが形成されている。 今回読んできたのは、アイリ・ブレスナハンによる「芸術における即興」(2015)。 著者はデイトン大学で助教授をされている女性美学者。こちらは、イケてるサーヴェイ論文が豊富なことで有名なPhilosophy Compassに掲載された論文。 英米美学における「即興」研究といえば、ほとんどがジャズ研究だが、ブレスナハンはこれを様々な個別芸術(とりわけ著者の専門?であるダンス)に広げようとしている。 構成としては、第1節、
この「ジャズ入門」シリーズ読みなおしてみて、けっこうおもしろいので継続してみたい。あれ以上はネタ本がないと書けないわけですが、ポール・ベルリナー先生のThinking in Jazz: The Infinite Art of Improvisationっていう本がものすごくすばらしいので、それを紹介していけばいいのかな、みたいなことを考えています。これはすごい。英語読めるひとはそっち読みなさい。 最初はいわゆる「インタープレイ」について解説したいような気がする。なんかジャズ批評とかで「ジャズはインタープレイだ」とか「ビルエヴァンスとスコットラファロのインタープレイが」とかって決まり文句があるじゃないですか。もちろんみんなわかってはいるんだと思うけど、それが具体的になんであるのか、っていうのを詳細に解説してるのはあんまり見たことなくて、ただの印象批評みたいになっちゃってると思うし。そうじゃな
言葉で決めつけたくないから映像にする 山田尚子という監督は、今日本の現役映画監督の中で最もフィルムメーカーらしい人なんじゃないかという気がする。今年カンヌ国際映画祭に行く濱口竜介に近い存在かもしれない。人間は言葉で思考し、コミュニケーションする生き物だが、優れたアーティストは絵や音楽などそれぞれの手法で言葉と言葉の間にこぼれ落ちた、捕まえきれない情動を表現する。凡庸な表現者は、言葉の範疇に収まるものを他の表現物に代替させているだけにすぎない。ただライターとしては、そういう作品の方が仕事は楽だ。優れた作品ほど仕事しづらくて困る。困るけど映画ファンとしてはそういう作品に出会えた方が嬉しい。 で、『リズと青い鳥』はどうなのかと言うと、非常に困る作品だ。素晴らしい。あの2人を描くためには、確かに映像ではなくてはならかったという気がする。原作では希美とみぞれの間で久美子が立ち回ることで描かれた2人の
スケールというのは、楽曲の中の全部、もしくは一部分で使われる主要な音を8度内に段階的に並べたものである。定義としてはこんなものだろう。ということは音楽が先にあってその素材としてスケールがあるということだ。でも実際の作曲というのは12音から選ぶというのと音階素材(主に7音音階)を頭にいれて音を選択するというのとをうまく混ぜ合わせてやるものだ。そしてこれがジャズインプロヴィゼーションとなると、ほとんどが音階素材から音を選んで演奏することになる。つまり音楽を逆走しているわけだ。で、スケールというのはメロディーはもちろんハーモニーの素材としても威力を発揮する。場面によっては、複数のスケールが候補に挙がる場合がある。主にドミナント7Thのところだ。プレーヤーがイメージするサウンドに近づけるのであれば、どれでもよい。だがここでジャズインプロヴィゼーションという音楽の特異性が出てくる。即興的によい音楽を
和声はよく色彩に例えられる。即興的に生まれた理不尽なコード進行というのは、いわばいろんな色の絵の具をぶっちゃけて偶然できる色みたいなもので、一度きりのものだ。でもそれが、レギュラーでバンドを組んでずっと一緒にやっていると、同じ場所でいつもそのサウンドが起きたりする。それはお互いのちょっとした癖が重なりあったものなんだろうけど、それがそとから聞くとそのバンドの独特のサウンドだったりするのだ。じっくり考えたアレンジではそういう面白さは出てこない。もちろんじっくり考えたサウンドもないと音楽の軸がなくなってしまう。それはまた別問題だ。この抽象的な和声というのは、コード進行を理解してそれぞれが自分の解釈で音楽を作っていくというジャズの演奏方法が起因している。ただしこれは綱渡りをしているようなもので、大失敗することもある。それを許し合うというのがジャズの演奏の大前提でもあるのだ。ミュージシャン同士の出
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