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ブックマーク / yonosuke.net (25)

  • 定義ってなんだろう (1) 定義の分類と注意 | 江口某の不如意研究室

    辞書的定義というのは、人びとがその言葉をどう使っているかを国語辞典の乗ってるような形で説明することです。たとえば「男性」の定義はコトバンク(大辞泉)ではこんな感じですね。基的には「おとこ」なんですが、成年の男子」が基だそうです。 まあそういう多義的な語があるので定義が必要になる場合もあるわけです。っていうかけっこう重要。 ところで、この「男性」の場合は男性ってなんだっていったら「おとこ」だとか「男子」だとかで、さらに「おとこ」ってなんだって辞書ひくと男子だとか男性だとか出てきてしまって循環してしまってます。「男子」か「男性」か「おとこ」かどれかの言葉を知らないとけっきょくそれがなんのかわからない。まあこれは「男性」だとか「おとこ」だとかっていうののどれかはわかってることを前提に辞書っていうのがつくられているからですね。 辞書では基的な単語についてはこんなふうに循環してしまうことはよく

  • コルトレーンのマイフェイバリットシングズはいろいろひっくりかえしてる | 江口某の不如意研究室

    最近、この読みなおしてたんですよ。モンソン先生のSaying Something。名著です。ジャズは会話だ!みたいな感じの(実際には会話とのアナロジー通用しないね、みたいな話もあり)。そのなかにコルトレーンのMy Favorite Thingsの分析があったんですわ。 原曲は イントロ (4) | A (16) マイナー| 間奏 (2) | A (16) | 間奏 (2) メジャーに転調 | A (16) メジャー | B (16) マイナーに戻る | コーダ (メジャー!)| っていう構成なんですが、コルトレーンは イントロ (8) | ヴァンプ | A | ヴァンプ | A | ヴァンプ (24) (メジャー) | A (メジャー)| A (16) メジャー | ヴァンプ (16) | ピアノソロ〜 | (ピアノがテーマ弾く)→ サックスソロ 〜 って形になってて、じつはずいぶん魔

    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2022/04/05
    "どこがマイフェバリットシングズやねん、君らが憎んでるものを破壊しようってんちゃうんか、という感じ" なるほど。この逆転もシグニファインなんですかね
  • ブックガイド:ポップ音楽の歌詞に関する書籍 | 江口某の不如意研究室

    畑中良輔 『日名歌曲百選 詩の分析と解釈』(2002) 。 古典的な日語歌曲を題材にして詩として解釈・解説するものだが、いまだに見るべきところがある。以下の引用を見よ! 日歌曲は、日語で書かれているために、「当然、意味は分かるはずだ」と決めてかかってしまう傾向があります。そして、実は詩の意をよく理解していなかったり、特にはまったく誤解したままで、歌ったり聴いたりてしまうという結果になりやすいのです。 見慣れない、聴き慣れない語が用いられているというくらいのことでしたら、辞書をひいてみることで、おおむね解決できますが、古語が用いられていたり、比喩をはじめ、対句、押韻、倒置文といった修辞技巧が駆使されていたり、古典のさりげない引用があったり、さらに、時代背景との関わりの中でとらえなくてはならないことがあったり、などといった場合ですと、理解しようとしてもなかなか思うにまかせないことも出

  • ブックガイド:ジャズピアノ/ジャズ理論書のおすすめ | 江口某の不如意研究室

    ジャズはインチキに簡単なことをするにもいちおう理論勉強しないとならんので面倒なのですが、音楽好きで好きな人間は理論書や教則も集めてしまうわけです。馬鹿ですね。そんな時間があれば練習すればいいのに。んでどれを読んで練習するかという話になるわけですが。 英語読めるひとはこれが最強だと思う。なんでも書いてある。読むだけでも楽しい(ただしドロップ2のところだけはわかりにくい)。ただし11がIIと表記されているのが腹たつ。なんで数字ぐらいまともに表記できないのだ。(なんか安いKindleは海賊版?)

  • 不幸な人は活動記録をつけよう | 江口某の不如意研究室

    哲学者のパスカル先生が『パンセ』という超古典のなかで、「人間が不幸なのは部屋でひとりでだまってじっとしていられないからだ、そうすると自分のみじめさを意識するしかなくなるからだ」っていうことを言ってるんですが(あとに引用貼っておきます)、まあヒマや時間があっても、なにもしないとそれだけ不幸になるタイプの人間というのはけっこういるように思います。 現代の臨床心理学者たちも、不幸な人々の活動が少ないこと、あるいは逆に活動が少ないことによって不幸になってる人々がけっこういることに気づいていて、「行動活性化」みたいなのが人気のキーワードのようです。まあ元気な人たちは楽しそうだし、楽しいと元気になりますからあたりまえといえばあたりまえ。 自分の行動を活性化する手法はもちろんたくさんあるんですが、まずは自分の気分や幸福感と活動が密接に関係していることを自覚することが大事なようです。以前のエントリ で紹介

  • ショーペンハウアー先生に本当のミソジニーを学ぼう | 江口某の不如意研究室

    大学の公開講座で、「生涯学習」としていろんな年代層の人にお前らが勉強していることをわかりやすくしゃべって、教養や楽しみにしてもらえ、という業務があり、私も参加しています。んじゃまあ哲学・思想や人生なんかについて考えてもらいたいなあ、みたいなので学生様相手にやってる「愛と性」の年長者バージョンみたいな感じで。去年はやはりオリジナル哲学者たちへの敬意から、プラトンとアリストテレス。エロースやらフィリアやら。今年は近代がいいだろうってんで、18〜19世紀でルソー、ヒューム、ウルストンクラフト、カント、ショーペンハウアー、J. S. ミルみたいな感じ。キェルケゴールも予告してたんだけど時間の都合で結局できなかった。無念です。 予告には、「年度は、18世紀から19世紀の有名哲学者を中心にとりあげる予定です。彼らの以外な一面を知ることができるでしょう」とか書いたけど、実際の受講生の方々には、「男性中

  • ドラマ感想3本:『ラ・ラ・ランド』『プラダを着た悪魔』『東京ラブストーリー』 | 江口某の不如意研究室

    卒論でテレビドラマや映画やマンガなどを卒論にとりあげる学生様がいて、私はそういうのは専門じゃないけど学部の教員メンバー構成の関係でそういうのも相手にしないとならんことがあるわけです。私がそういうの指導していいんだろうかとか、私が評価していいんだろうかとかいつも気になるんだけど、そういう先生は全国でけっこう多いはずだし、まあしょうがない。そういう場合はしょうがないので私もそれを何度も見る、ぐらいの努力はするわけです。 まあ学生様と卒論の草稿みながらディスカッションしていると気づくこともけっこうあって、それはそれでおもしろい。 今年は『ラ・ラ・ランド』で困りました。私この映画、前作『セッション』ほどではないけどひどすぎると思ってたし。でもまあ何度も見ながら学生様と解釈考えてたら、おもしろいアイディアを教えてもらいました。 この映画がひどいのは、「物のジャズ」がテーマだって言いながら、ぜんぜん

    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2020/02/23
    "「なるほどこの映画は、観客をおちょくるための映画なのかもしれない」[...]ぜんぶ正真正銘のニセモノ〔かつ意図的〕[...]あれ見て感動したり感心したりした人々は鑑賞者として馬鹿にされている可能性さえある"
  • 日本ポピュラー音楽学会で発表しました | 江口某の不如意研究室

    そういや、12月には日ポピュラー音楽学会で発表させてもらったのでした。タイトルは「大学初年次教育におけるポピュラー音楽の利用」。 私は実は「自発的に学会で個人発表するオヤジの会」会員なので、毎年なんらかの形で自発的に発表しなければならないんですわ。偉い先生たちはシンポジウムに招待されたり、研究会でも強くお願いされたりしてやむなく話をするのが普通なのですが、我々自発的オヤジの会会員は、そうした要請とかないので自分で出張るのです。 私は会員歴も長いので、「ぜんぜん自分の来の専門と関係ない学会に自発的に新規入会して、さらに発表する」という非常に難度の高い課題に挑戦しました。50歳を超えてこういうのするの、学会としては迷惑なんでしょうけどそういうの無視する、会費払ってるんだから発表させろ、そういう強い態度が望ましいとされています。 まあこの学会とても楽しかったですね。倫理学とか生命倫理学とかジ

  • 宇崎ちゃん問題 (4) 「モノ化」は「客体化」でもやむをえない | 江口某の不如意研究室

    ちなみにここで小宮先生にはあんまり責任がない「客体化」もむずかしいって話もしとかないとならんかな。 牟田先生が「客体化」って使ってんのに私は「モノ化」にして、小宮先生も「客体化」にしてて、まあどうせ専門用語だからobjectificationっていう英語に対応する訳語だってわかってりゃそれでいいでんですが、私「モノ化じゃなくて客体化だろ!」「モノ化という訳語はだめではないか」って言われちゃってるので、ちょっとだけいいわけ。 これ実際カタカナ使っていいんだったらオブジェクト化でもよかったし、あるいはさらにさかのぼって「物象化」「物件化」とかそういう訳語も可能だったかもしれないわけです。十数年前に論文モドキ書いたときはかなり悩んだ末に「モノ化」にしたんですが、今思えばもう「モノ扱い」でもよかったくらいだと思ってます。その方がわかりやすいでしょ。日常的だし。 あの論文ではとにかくヌスバウム先生の

    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2019/12/19
    "「道具化」「道具性」「自律性の否定」「不活性」「交換可能性」「毀損可能性」「所有性」「主観性の否定」[...] これらは全部、自発的・能動的・自律的etc.な「人」と対比される上での「モノ」の特徴"
  • ポップ音楽でリテラシー (1) 本を読んで | 江口某の不如意研究室

    学生様と話をしていて、好きな音楽の話なんかを聞きたいわけですが、うまく説明できる人はそれほど多くないですね。「よい」「好きです」ぐらいで、なにがどうよいのか、どこがどう好きかを説明できる人はあんまりいない。というか、歌詞や曲をよく聞いてないというわけでもないと思うんですが、分析的に聞いたり説明したりすることはなかなか難しいものです。 とかって考えて、そういうので卒論を書きたいという学生様もいたりするので(うちはそういう学部)、ポップ音楽の鑑賞法とか分析法についてのを探しているのですが、日語ではなかなかないもんですね。英語ならあるかなってんで探しているうちに、Practical Media LiteracyってKindleでめくってみる機会がありました。 これは中学や高校ぐらいのクラスルームで、各種のメディアをクリティカルに見る方法を考えながら教えようっていうクリシンのですわ。Mu

    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2019/05/01
    𝘗𝘳𝘢𝘤𝘵𝘪𝘤𝘢𝘭 𝘔𝘦𝘥𝘪𝘢 𝘓𝘪𝘵𝘦𝘳𝘢𝘤𝘺 "中学や高校ぐらいのクラスルームで、各種のメディアをクリティカルに見る方法を考えながら教えようっていうクリシンの本"
  • ジャズ入門(31): インタープレイとは何か(1) – 江口某の不如意研究室

    この「ジャズ入門」シリーズ読みなおしてみて、けっこうおもしろいので継続してみたい。あれ以上はネタがないと書けないわけですが、ポール・ベルリナー先生のThinking in Jazz: The Infinite Art of Improvisationっていうがものすごくすばらしいので、それを紹介していけばいいのかな、みたいなことを考えています。これはすごい。英語読めるひとはそっち読みなさい。 最初はいわゆる「インタープレイ」について解説したいような気がする。なんかジャズ批評とかで「ジャズはインタープレイだ」とか「ビルエヴァンスとスコットラファロのインタープレイが」とかって決まり文句があるじゃないですか。もちろんみんなわかってはいるんだと思うけど、それが具体的になんであるのか、っていうのを詳細に解説してるのはあんまり見たことなくて、ただの印象批評みたいになっちゃってると思うし。そうじゃな

    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2018/10/11
    Thinking in Jazz,絶賛積ん読中。
  • メモの取り方を教える – 江口某の不如意研究室

    大人数授業では、学生様にぼーっと話聞かれてるとつらいので、メモ(ノート)をとってるフリぐらいはできるようになってほしいと思います。大人数の初回の授業では面倒でも授業の受け方のお説教みたいなのしてます。何回も聞く学生様も出てくるわけだけどしょうがない。そういうお説教って大人数の方が手間がかからないし。 でも毎回同じのやってると自分でも飽きちゃうので、今回もなんか工夫しようってことで。 1回生とかには慶應大学の佐藤望先生のこのビデオ見てもらってるのです。 最初は見てもらうだけだったけど、去年とか「メモをとって隣の人と交換して比較してみてください」みたいなのやった。 今回は、さらに進化させて、このビデオ見ながら私も実際にメモをとって、佐藤先生がしゃべった内容を私が復唱してさらに文句をつける、という芸を見せてみました。我々が研究会とかでやってることですよね。 メモはペンで紙にとって書画カメラで見せ

  • 認知の歪みと研究者生活 | 江口某の不如意研究室

    うつ病とかになるひとには、独特の認知の歪みとかがあるっていう話を聞いたことがあります。有名なのはデビッド・バーンズ先生の歪みリストですね。いろんなページで紹介されてますけどたとえば http://d.hatena.ne.jp/cosmo_sophy/20050119 とか。 すべてか無か思考。完璧じゃなければ意味がない。過度の一般化。一つの例から一般法則を導いちゃう。心のフィルター。悪いことしか見えません。過大評価と過小評価。悪いことは大きく、よいことは小さく考える。感情的推論。こういういやな気分になるからきっとあれは悪いものだ、あいつは悪いやつだ。マイナス思考。だめだー。結論への飛躍(心の読み過ぎ、勝手な予測)。きっとあいつは邪悪なことを考えている、俺の将来はまっくらだ。「べし」思考。人間というのはこうあらねばならないのであーる。レッテル貼り。「あいつは〜だ!」「〜だからだめだ!」個人化

  • デートレイプ魔としてのジャンジャック・ルソー | 江口某の不如意研究室

    ルソーには「先生」つけたくない、みたいなこと書いてしまいましたが、いけませんね。ルソー先生の言うこともちゃんと聞かねば。しかしこの人やばい。やばすぎる。まあ実生活でもかなり危険な人でしたが、書くものもやばい。私はこの先生の書くもの、なにを読んでもあたまグラグラしますね。理屈通ってないわりにはなんか情動に訴えかけるところがあって、健康に悪い。肖像画とか見てもなんか自信満々の怪しいイケメンで、なんか恐いものを感じる。 ルソーはセックスと恋愛について大量に書いてます。『新エロイーズ』とか、元祖恋愛小説ベストセラー作家でもある。『エミール』とか教育論の元祖・名作ってことになってていろいろ誉められてるけど、そんないいもんでもない気がする。その内容を見てみるとこんな感じ。 性のまじわりにおいてはどちらの性も同じように共同の目的に協力しているのだが、同じ流儀によってではない。そのちがった流儀から両性の道

  • ルソー先生、あなたの弟子たちが性犯罪に手を染めています – 江口某の不如意研究室

    さて、ここまで密室に移動してからセックスまでのプロセスを見てきましたが、どのプロセスでも女の子は抵抗を見せるはずです。……S[セックス?]フェーズでの抵抗はさらに激しいものとなります。 なぜこのような抵抗(関門といってもいいかもしれません)があるのかと言うと、女の子はセックスすると妊娠する可能性があるので、優秀な遺伝子を選別する必要があるわけです。関門を設けてそれをくぐり抜けることができるGood Genesかどうかを能的にテストしているわけです。 しかし、その抵抗がテストのための形式的なものか、当に嫌がっているかは、よく見極める必要があります。行き過ぎると、レイプで訴えられるリスクもあります。 ここでの見極め方としては、力の入り方が挙げられます。女の子はか弱そうに見えて、全力で力を入れると結構強いのです。クリタッチのあたりで、女の子の又に手を入れる際に抵抗して手を掴んでくると思います

  • 日常雑記:Togetterで炎上しそうになってしまった…… | 江口某の不如意研究室

    去年9月に大学の新図書館が開館してわーいっていって使いはじめたのですが、なんか使いづらくて困ってたのです。建物自体はおしゃれなんだけど、の配置なんかが機能的じゃない。「あれをこうしてください」とかいろいろ口頭でお願いしてたんですが、なかなか改善しない。 ずーっといらいらしたまま1年近く過ぎて、「なんでうまくいかないんだろう?どうしたらいのかな?」とか思ってたときに、サインをデザインしたデザイナーさんがその図書館のサインのデザインについてツイートしてたので、つい反応してしまいました。 どうもそのデザイナーさんは、大学だし、OPACなどで検索するのだからサインはそれほどわかりやすくする必要はない、知的な印象を重視したい、のような発想でサインを設計したらしいんですね。ずっと悩んでいらいらが溜っていたので、ついキツい言葉で反応してしまいました。ついでにトギャッタとかでセルフまとめ作ってみたりして

    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2018/07/11
    "ある程度問題提起はしたくても、話題が大きくなりすぎると集団による個人攻撃になってしまう。注目をコントロールするっていうことも考えないとならんわけよね"
  • ポストモダンの害悪 | 江口某の不如意研究室

    最近ちょっとtwitterでポストモダンに関する議論があって、まあいつもどおりのよくわからない話をする人がいるってくらいなんですが、そのなかで、「ポストモダン思想がなにか自然科学に実害を与えたのか」みたいな発言がありました。たしかに自然科学に対しては実害とかほとんどなかったっしょね。実害は、自然科学ではなく、政治的な議論、それに倫理的・社会的な学問や論議に対してあったと私は思ってます。デリダ先生が倫理学や社会科学にどのていど影響を与えたかはしりませんが、私が憎んでいるジュディス・バトラー先生は私が関心のあるジェンダー論やセックス論の国内の議論に大きな影響を与えているようで、あちこちで無益なものを読まされることになります。 たとえば、最近出た藤高和輝先生の『ジュディス・バトラー:生と哲学を賭けた闘い』というがあります。藤高先生は若い人なんでしょうね。 そのなかにこんな一節がある。 「私は約

    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2018/07/04
    "よく考えたら別にポストモダン悪くないです。悪いのは出典をちゃんとつけなかったり、ちゃんと確認しなかったり、曖昧な言葉をつかったり、単なる言葉遊びですませたりするそういうポストモダンな人々がやる傾向"
  • 牟田先生たちの科研費報告書を読もう(1) | 江口某の不如意研究室

    フェミニストの牟田和恵先生たちの科研費研究の使途がおかしいのではないか、みたいな難癖みないなのが話題になって、それに反応してか先生たちのグループが成果の電子書籍を公開してくれたので、ちょっと読んでみました。公開えらい。 私の印象では、ちゃんとしたグループ研究だと思いますね。立派だ。えらい。一部には「ジェンダー平等のための〜」っていうタイトルなのに、いわゆる慰安婦問題を中心にした研究にしぼられているのはどうなのかという声もあるようなのですが、まあジェンダー平等とかって目標の一部に慰安婦問題の考察が必要不可欠なのだ、みたいな立場だったら許されるのではないか。研究計画とか読んでないからわからんですが、まあそういうのはあんまり関心がない。 んで内容としてもろにセックスの話をあつかってるとわかる章だけ読んでみたんですが、研究として立派だとは思うものの、いろいろ言いたいことは出てきますね。 最初に言い

  • 牟田和恵先生のフェミニスト的恋愛/結婚論には問題があると思う | 江口某の不如意研究室

    伊藤公雄先生と牟田和恵先生の編集の『ジェンダーで学ぶ社会学』が2015年に改定新板になってたのきづかなかったので読んでみました。このの初版は1998年で、ジェンダー社会学とかの超基書、ロングセラー、ジェンダー論ベストセラーですわね。 実はずっとフェミニストやジェンダー論論者によるアカデミックな恋愛論みたいなの探していたので [1]どういうわけかフェミニスト/ジェンダー論者は恋愛を語らない傾向があると思う。、牟田和恵先生の「愛する」は非常に貴重だと思います。えらい。それにしてもこれはものすごく問題が多い。 第1節の見出しは「リスク化する恋愛」で、ストーカーやらリベンジポルノやら、「非モテ」を苦にして(?)の大量無差別殺人事件とかあげて、恋愛はリスク化しているっていうわけです。 恋愛は人にとって、とくに若者にとっては、幸福感を与えてくれるもの、刺激的で楽しいものであるはずなのに、命の危険さ

  • 紙芝居プレゼンテーション(KP法)を試してみました | 江口某の不如意研究室

    向後千春先生という、大福帳や文章の書き方その他の授業インストラクションで私が注目している先生がいらっしゃいまして、メルマガ、じゃないや、有料noteなんかも参考になるので、悩める大学教員としてお布施しています。 そのなかで紙芝居プレゼンテーションっていうのを使って授業してるっていう話があって、先生がやってるなら参考にせねばとyoutubeとかで見てみたんですわ。発案者の川嶋直先生直伝の動画がある。 なるほどこれはおもしろい。 私は発想が柔軟じゃないので、人前でプレゼンといえばPCのスライド、みたいなのになってしまって、前に「読書紹介をプレゼンしてもらう」みたいなのでもあらかじめパワポとか作ってもらってやってたんですが、どうもみんなスライドに書き込み過ぎだな、みたいなのは感じてたのです。あと、話したあとにディスカッションとかするとき、スライドを前にやったり後ろにやったりしてうざい。事前準備が