人類に多大な恩恵をもたらす現代の錬金術か、それとも生命の定義を根源から揺るがすパンドラの箱か――。「生命の設計図」であるゲノムをコンピューター上で設計し、その情報に基づいてDNAを合成したり、改変したりして新たな生物をつくる「合成生物学」の研究が進んでいる。毎日新聞科学環境部記者の須田桃子氏は米国で約1年間、研究の最前線を追い、『合成生物学の衝撃』(文藝春秋)にまとめた。須田氏に、その未来と懸念を尋ねた。(ライター・庄司里紗/Yahoo!ニュース 特集編集部)
人類に多大な恩恵をもたらす現代の錬金術か、それとも生命の定義を根源から揺るがすパンドラの箱か――。「生命の設計図」であるゲノムをコンピューター上で設計し、その情報に基づいてDNAを合成したり、改変したりして新たな生物をつくる「合成生物学」の研究が進んでいる。毎日新聞科学環境部記者の須田桃子氏は米国で約1年間、研究の最前線を追い、『合成生物学の衝撃』(文藝春秋)にまとめた。須田氏に、その未来と懸念を尋ねた。(ライター・庄司里紗/Yahoo!ニュース 特集編集部)
女性は子供を生むと、生まれた子供は大げさに母親の胸を触ります。この刺激は神経を通り脳へと刺激を送ります。信号は脳の視床下部からオキシトシンと呼ばれる神経化学物質を放出するきっかけとなり、このオキシトシンは結果的に女性の胸の平滑筋を刺激、乳児を育てるための乳汁を放出させるのです。 一方でオキシトシンには別の作用もあります。乳児からの刺激を受けてオキシトシンが放出されると、母親の注意はわが子へ向くようになります。乳児がこの世で一番大切なものとなるのです。オキシトシンはドーパミンとともに働き、子供の顔、におい、声を母親の報酬回路に組み込み、子育てに喜びを見出させ、これが子育てを続けるモチベーションとなるとともに、母と子の絆を形作ります。この絆は社会的な絆の中でももっとも美しく、また、一番強く、一生涯続く絆ともなり得るものです。 また、他の動物にはあまり見られない人間の奇妙な特性として、互いの目を
人工ゲノムを持った「人工細菌」の電子顕微鏡写真=サイエンス提供 自己増殖をする「人工細菌」を作ることに、米のチームが初めて成功した。DNAをつないで、ゲノム(全遺伝情報)を人工的に作った。生命の設計図であるゲノムが働くことが確認でき、「人工生命」ともいえる成果だ。医薬品づくりなどに役立つ技術と期待される一方で、安全性の確保や悪用防止が課題になる。生命とは何かを問うことにもつながりそうだ。 作ったのは、人間のゲノム解読に携わったクレイグ・ベンター博士が代表を務める研究所のチーム。遺伝情報にあたる塩基配列が少なく、操作しやすい「マイコプラズマ・マイコイデス」という細菌をモデルにした。 この細菌のゲノムをまねて、ゲノムを構成するDNAの断片を化学合成した。これを大腸菌などの中で1本につなげて、人工ゲノムを作った。この人工ゲノムを、ゲノムを除いた別種の細菌の細胞膜を器にして、移植した。
植物が天狗の巣に…原因たんぱく質TENGU発見 東大2010年4月13日19時52分 印刷 ソーシャルブックマーク 植物の病気「テングス病」は、発病すると枝が伸びなかったり、多数の小枝が出てほうきのようになってしまったりする。市販されているポインセチアは「丈が低い、枝が多い」症状を逆手にとったものだ。この病気の原因たんぱく質「TENGU」を難波成任(しげとう)東京大教授らが見つけた。植物の姿をお好みに変えてしまう技術につながりそうだ。 テングス病は、かかった木の様子が言い伝えにある天狗(てんぐ)の巣に似ていることから名付けられた。ポインセチアのほか、アジサイなどがかかる。 難波さんらは、植物に寄生すると、この病気を引き起こすことがわかっていた病原体の遺伝子と、その遺伝子からできるたんぱく質を調べた。たんぱく質のうち、アミノ酸が38個連なったものを遺伝子組み換えの技術を使って植物内で増やすと
2010年2月23日 独立行政法人 理化学研究所 独立行政法人 科学技術振興機構 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構基礎生物学研究所 ポイント 重複による遺伝子増幅は昆虫で最も多く、逆に免疫関連の遺伝子は大幅に減少 細菌から獲得した約10種の遺伝子を同定、複雑な進化の過程が明らかに ゲノム情報を基に、安全で効果的な害虫防除法の開発が可能に 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)、独立行政法人科学技術振興機構(JST、北澤宏一理事長)と大学共同利用機関法人自然科学研究機構基礎生物学研究所(岡田清孝所長)らは、世界的な農業害虫として知られるアブラムシ※1のゲノム解読に成功しました。これは、理研基幹研究所(玉尾皓平所長)宮城島独立主幹研究ユニットの中鉢淳基幹研究所研究員、宮城島進也独立主幹研究員および基礎生物学研究所の重信秀治(JSTさきがけ専任研究者)らをはじめとする国際アブラム
こんにちは。今回は人類の性欲の構造について考えてみたいと思います。 前回(http://bbs.jinruisi.net/blog/2009/12/000716.html)は、哺乳類一般の性システムとサル・人類の性システムの違いを、哺乳類における雌の排卵形式の違いに注目し、 「哺乳類一般は、自然外圧に強く支配された性システムであるのに対し、サル・人類は、共認機能により、性周期(本能)をコントロールして本能を再統合するシステムであるのではないか」 という仮説をたてました。 今回はこの仮説を検証するため、哺乳類一般の性システムと人類の性システム、性欲構造の違いに注目して、仲間と考えてみました。 ”共認の性”を実現した人類の女性 (画像はこちらからいただきましたhttp://blog.katei-x.net/blog/2009/02/000753.html) 本編に入る前に応援よろしくお願いしま
・雌と雄のある世界 分子細胞生物学、分子遺伝学、発生生物学の最先端で、生物の生殖について解明されてきたことが、一般向けに整理されている。 「雌と雄のある生物では二種類の細胞、体細胞と生殖細胞がある。体細胞はひたすら同じ遺伝情報を分かち合いながら分裂増殖し、生殖細胞は遺伝情報の多様性をつくり出す。」という基本原則がある。 実は雌だけでもどうにかなるそうで、クローン技術を使えば雄がいなくても子供をつくることができてしまう。細胞が増えるというレベルではふたつの性は不要なのだ。しかも男性を決定するY染色体は、かなりの速さで衰えていて、これから10万年から20万年後には消えてしまう可能性があるらしい。 プラナリアという面白い生き物の特異な生殖が紹介されている。この生物は温度によって有性生殖と無性生殖を切り替える。餌によっても切り替わる。栄養条件がよいときは無性生殖でどんどん増え、栄養状態が悪くなると
2009年09月28日 00:26 カテゴリサイエンス・ヒストリー サンバガエルの謎が解けた? Posted by science_q Tweet 「サンバガエルの謎」(原題:The Case of the Midwife Toad)というのは、哲学者アーサー・ケストラによって1972年に書かれた科学史本です(日本語訳は、サイマル出版会より1976年に、岩波現代文庫から2002年に出版)。内容は、サンバガエルを使った実験を通して、獲得形質の遺伝を主張したオーストリアの生物学者パウル・カンメラーが、データー捏造の疑いをかけられ、最終的には自殺にまで追いこめられた様子を、権威主義的な当時の科学界を批判する立場から書かれた意欲作です。 獲得形質の遺伝というのは、生きている間に、その環境の中で生き抜くために必要とされ、発達した身体の器官やその特長(獲得形質)が、次世代へと遺伝することにより、生物は
良く知られた「どっちが先か」という論争についてである。 曰く「鶏が卵を産むんだから鶏が先」, 或いは「卵から鶏が生まれるのだから卵が先」で, どっちもそれなりに言い分があって決着しないということである。 「〜の卵」というときにその「〜の」という部分の意味は何なのだろう ? そこが key point であるように筆者には思われる。前者の論点は「〜の」というのは産んだものの卵ということ (〜の産んだ卵) であり, 後者の論点は「〜の」という部分はそれから生まれてくるであろうものによって決まる (〜の生まれてくる卵) という主張である。 通常両者は一致する。何故なら DNA によって, ある親からは通常同一の種の生物が生まれてくるからだ。 しかし卵と鶏とどっちが先かと言うときは,「史上最初の鶏」を問題にしているのだから, これは当てはまらない。鶏でない鶏の祖先が産んだ
人間は時間を止めてしか世界を見ることができない。私たちがありのままだと思って見ている世界は、因果関係を求めるという人間特有の見方に従って現れただけの像に過ぎないのかもしれない。 前編では、そうした人間の認識の特徴について福岡伸一さんにお話いただいた。では、生命を“流れ”として見る“動的平衡”の考えをもつことによって、世界はどのような映り方をするようになるのか。引き続き、福岡さんにうかがった。 (前編「世界は『メカニズム』では説明しきれない」から読む) ――前編で、生命現象に因果関係を見出しても、それは実際に起きていることの断片でしかなく、空耳と同様の“空目”でしかない可能性が大いにある、とお話いただきました。ビジネスや生活においては、因果関係を発見し、何かの手段を講じるのが常識ですし、実際に有効だと思います。それでも因果関係に基づく行動は不都合といえるでしょうか? 福岡:花粉症を例にあげま
FILE050は10月14日(火)午前8:30〜<BS2>で再放送予定です。 ※10月13日(月)午後の放送は別番組放送のため、休止予定です。 ご了承ください。mm 近藤一博(ウイルス学・免疫学) 人はなぜ疲れるのか?この身近な疑問の正体と疲労の知られざるメカニズムを探る。 「疲労の正体」とそれにまつわるウイルスの研究で世界的に注目されているのが、慈恵医科大学ウイルス学講座の近藤一博教授。 近藤教授は疲労感や欝や不眠、過眠などの症状を伴う病、慢性疲労症候群の原因が人間を自然宿主とするウイルスHHV−6(ヒトヘルペスウイルス6)の再活性化によって引き起こされていることを世界ではじめて突き止めたウイルス学者。 HHV−6は人間のすべてが幼児期に感染、その後脳内などに潜伏し、ヒトになんの害も与えないと考えられていた。この発見によって、HHV−6が疲労と密接な関係のあることがわかり、そこ
かなり誤解を招きやすい教養書。 わたしの場合、タイトルと評判だけで読んだフリをしてきたが、その理解ですら間違っていることが分かった。ああ恥ずかしい。このエントリでは、わたしがどんな「誤読」をしてきたかを中心に、本書を紹介してみよう。 まず、「遺伝子が運命を決定する」という誤解。「利己的な遺伝子」なる遺伝子がいて、わたしの行動をコントロールしていると考えていた。遺伝子は、わたしの表面上の特徴のみならず、わたしが取りうる行動や反応を支配しており、そこから逃れることはできない――などと思っていた。わたしが利己的なのは遺伝子のせいなんだ、というリクツ。 次に、「われわれは遺伝子の乗り物(vehicle)にすぎない」ことから、虚無的な悲観論に染まりきったこと。「ニワトリは、卵がもう一つの卵を作るための手段」なのだから、われわれは生殖さえすればよろしい。極端に言うならば、生殖しないのであれば、その人生
前の記事 「飛ぶ種」の動力学:飛行機やヘリを上回る効率(動画) 文化はDNAに組み込まれている?「隔離された鳥の歌」実験 2009年6月16日 Lizzie Buchen Image: Flickr/NeilsPhotography キンカチョウ(英名はZebra Finch)は、通常はその複雑な求愛の歌を父親から習う。しかし独力でも、わずか数世代を経るだけで、自発的に発展させて同じ歌を歌うようになることがわかった。 オスのキンカチョウは通常、その複雑な求愛の歌(MP3)を、父親や親戚のオスから習う。歌の手本となる者が周囲にいない場合は、従来の歌からかけ離れた、メスのキンカチョウにとって耳障りな歌になる(MP3)。そうなると、どの鳥たちも父親や親戚のオスから習わなければならないことになるが、いちばん最初の歌はどこから生まれたのだろうか。これは、古典的な「卵が先か鶏が先か」という問題だ。 ニ
・脳はあり合わせの材料から生まれた―それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ 人間の脳はその場しのぎの改変を重ねてたまたま今の形になったという脳科学+進化心理学の書。原題は"KLUGE"。クルージ(kluge)とは「エレガントにはほど遠く無様であるにもかかわらず、驚くほど効果的な問題解決法」という意味。 ヒトの身体は明らかに最適化されていない。たとえば四足動物の脊椎を二足歩行に転用したため、速くは移動できず、多くの人が腰痛に悩まされている。呼吸と食事のために使う器官を発声に転用したので人間の言語は混乱している。目は受光部が後ろ向きのため盲点が存在してしまう。そして脳には反射や衝動を司る古い部分にのっかって思考を司る新しい部分が加わっているから、純粋な推論が下手だ。 進化の歴史の上でいきあたりばったりに、古い技術の上に新しい技術をぬり重ねたのが、ヒトの身体なのだ。この姿からだけでも全能の
野外で森林性の野ネズミの台所を子供たちに教えます。 ドングリなどの食痕はきれいに食べているものが多いように見えますが,実際に食べているのを観察すると,食べかけでぽろっと手から落として,別のものに手を出したりします。 これは,不思議でも何でもなく,ドングリそのものを食べるためではなく内部のニセコナラシギゾウなどの加害昆虫の幼虫の方をターゲットにした採餌であったり,ドングリが有り余る場合,栄養分の高いところだけ口にして,次に手を出すのが胃袋の小さな彼らにとっては最適の栄養摂取戦略であったり,あるいは,そこを移動すべく食いかけを放り出して別のところでまた新たに食べ始めるというのが,天敵をたくさん抱える動物としては当たり前だからであったりします。 追記ー子供たちにこのあたりを教えると,結構びっくりして「ヒメネズミ(アカネズミ),ずるーい」と言います。彼らにとって残飯を放り出すと言うことが「悪」にな
姫路市立水族館で約20年間飼育されていた国の特別天然記念物オオサンショウウオの脚の指が、約15年かかって再生したことが確認された。同じ両生類のイモリで指の再生報告はあるが、オオサンショウウオでは初めて。 昭和62年に同水族館で人工ふかした個体(体長98センチ、体重7・4キロ)で、5歳のとき、水槽内で仲間とのけんかで右前肢上腕骨の先を食いちぎられた。その後ちぎれた脚の先に4本の指が形成され、「外見的再生」が確認されていた。今月のレントゲン検査で、初めて4本の指の骨が確認され「完全に再生された」ことが判明した。 オオサンショウウオの生態に関しては不明な点も多い。自然界では欠損した指の再生は確認されておらず、再生が止まった小さな突起状態がほとんど。今回は、飼育下の長期観察でオオサンショウウオの指の再生過程を知ることができたという。 オオサンショウウオの生態にくわしい元姫路市立水族館長の栃本
以前も書いたけど、また。 ちょうど一人暮らしを始めたころで。 海が近くて、魚とかがおいしかったので、当初は魚とか食っていて。 で、肉とかは苦手で。というか、肉を食うのがいやで。生き物を殺して食うのはやめたいなとずっと思っていた。 魚もそれなりに血とかどばどば出て生臭いので、そうだな、オレ、ヴェジタリアンでいいじゃんとか思った。で、なんとなくマクロバイオティックスとか米国文化経由で知っていたしみたいなのりで、菜食を始めた。 そのうち、これってきちんとやったらどうなるんだろう?と思って、卵も乳製品もやめた。(生ゴミとかすごく減る。) これ、やっていると、なんというか、逆の麻薬というのじゃないけど、どんどん、動物性ものが食えなくなる。 河口慧海もそうだったけど、肉食の人が近づくと、臭いと感じられるようになる。 まあ、そんな感じ。 そして、マクロバイオティックスってそれなりにいろいろ食に工夫をする
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