今回はCRAY編の最後として、CRAY T3D/T3Eを解説しよう。時計の針を1990年に戻す。当時CRIはレス・デイビス(Les Davis)の指揮の下でCRAY Y-MPと、これに続くCRAY C90の開発が一段落した頃合である。 ベクトル方式のシステムを販売しつつ 超並列マシン「CRAY T3D」の開発にも着手 CRAY Y-MPとCRAY C90は、当時のCRIの稼ぎ頭であって、引き続きさらに性能の高いT90や、低価格向けにSupertekの製品ラインナップをベースにしたCRAY XMS、CRAY Y-MP ELといった製品を追加していった。 だが、こうしたベクトル方式のマシンとは別に超並列方式のシステムがいろいろ登場してきたことをCRI自身も理解していたようで、1989年頃から超並列の開発を始めていたようだ。 この頃にはすでにインテルのiPSCやnCUBE、CM-1といったマシン
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