前回のCydra 5の目的は「手頃な価格で入手できる高機能なコンピューター」である。 1980年代前半というのは、数値演算を利用してさまざまな科学技術計算が行なわれ始めた時期にあたる。この分野におけるCRAYの貢献は間違いなく大きく、これまではできなかったような計算ができるようになったことで、急速に需要を喚起した功績は大きい。 その一方で、CRAYは性能も高かったが価格も高かった。CRAY-1の1号機が納入された価格は連載275回で紹介した通り790万ドルで、さらにストレージが100万ドルである。 1980年代といえば、そろそろCRAY X-MPが市場投入されていた時期だが、CRAY X-MPの価格は構成によってかなり変化するとは言え、絶対的に高価格帯である。 例えば1986年における、SCDへのX-MP/48の納入価格は本体だけで1460万ドル(関連リンク)。1985年におけるベル研究所
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