長基線ニュートリノ振動実験「T2K実験」の国際共同研究グループ(T2Kコラボレーション)は8月4日、ニュートリノと反ニュートリノの違いがある確率が、これまで報告されていた90%から95%に高まり、「レプトン」での「CP対称性の破れ」が存在する可能性がより明瞭になったことを発表した。 宇宙の始まりと言われるビッグバンで生成されたはずの物質と反物質だが、現在の宇宙では反物質はほとんど存在していないが、宇宙に物質だけが残るためには、物質と反物質に何らかの性質の違い、いわゆる「CP対称性が破れている」必要があり、どの素粒子が宇宙の成り立ちに関わるCP対称性の破れを持っているのかの解明に向けた研究が世界各地で進められている。すでに物質を構成する12種類の素粒子のうち、「クォーク」についてのCP対称性の破れは見つかっており、そのメカニズムも理論的に解明されているが、クォークでのCP対象性の破れだけでは