バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上 (海外文学セレクション) 作者:R・F・クァン東京創元社Amazonこの『バベル』は、R・F・クァンの四作目の長篇にして、ローカス、ネビュラなど数々の文学賞を受賞&ノミネートされた話題の本格ファンタジイ・歴史改変スペキュレイティブ・フィクションだ。著者は1996年に中国の広東省に生まれ4歳の頃にアメリカに移住し、数々の話題作を世に送り出している今最注目の作家の一人になる。 賞的な評価も高かったこともあって、期待して読み始めたのだけど、いやーこれが噂に違わずおもしろい! 揺らぎのある翻訳が魔法になるという独特な世界観。19世紀前半を舞台にし、翻訳=魔法を教えるオックスフォード大学に入学してくる多言語使いの若者たち──という冒頭の座組は完全に《ハリー・ポッター》なのだけど、多言語話者を集めたいという魔法の都合上、集められた若者たちは中国人や黒人といっ
