入学式や卒業式で日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱するよう義務付けた東京都教育委員会の通達を巡り、都立学校の教職員ら395人が「思想・良心の自由を保障した憲法19条に反する」として、義務がないことの確認などを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は28日、請求を認めた1審・東京地裁判決(06年9月)を取り消し、訴えを全面的に退けた。都築弘裁判長(三輪和雄裁判長代読)は「通達は教育基本法が禁じた『不当な支配』に当たらず、憲法にも反しない」とした。【和田武士】 都築裁判長は同種訴訟で合憲判断を示した最高裁判決(07年2月)を踏襲。国旗掲揚と国歌斉唱について「個人に自身の歴史観や世界観を否定する行為を強制するものではない」と判断した。「従来、全国の公立高校の式典で広く実施されている」とも指摘した。 また、教職員が地方公務員であることのほか、国旗国歌法や「国旗掲揚・国歌斉唱を指導する」と規定した学習指導