芸能・文化 『近代日本の戦争 台湾出兵から太平洋戦争まで』 歴史を再検証する重要性2010年8月22日 『近代日本の戦争 台湾出兵から太平洋戦争まで』 梅田正己著 高文研 1890円 明治維新によって誕生した近代日本は「富国強兵」を掲げて欧米列強を目標に領土拡張政策を推し進めてきた。その結果、約80年の間に台湾出兵からアジア太平洋戦争まで、10余の戦争を引き起こした。戦後65年の平和は、その反省のもと“戦争の鎖”と決別するために設けた憲法9条がもたらしたものであった。 だが保守派を自認する政府高官からは、時折「近代日本の戦争と植民地政策」を肯定する意見が発せられ、社会問題となっている。日本の侵略戦争に対する政府の公式見解を批判する論文を書いて更迭された元航空幕僚長・田母神俊雄氏の言動は記憶に新しい。 田母神氏の論文は稚拙で、歴史学者からはまともに相手にされていない。しかし、マスコミか