Scheme 過去◇現在◇未来 前編 bit/April 1996/Vol. 28, No.4 p4~9 Guy L. Steele Jr. 訳 井田昌之 ---------------------------------------- はじめに ――― 訳者より Schemeの開発者の一人であるGuy L. Steele博士が、1995年7月10日にLisp協議 会のシンポジウムで講演を行なった。場所は青学会館である。本稿は、その講 演を元にまとめたものである。その内容は、開発の当事者でしか語れないもの が多く、たとえば、Schemeの発端のいきさつには、Carl Hewitt先生も大きく関 係している点など、訳者にとっても、なるほどと新鮮で興味深いものであった。 当時のMITの人工知能研究所のホットな様子を垣間見た気がした。 本文では敬称を略した。登場人物の肩書はどんどん変化したので、