民間企業が設けた暴力団排除条項を武器に、警察当局が暴力団への包囲網を強化している。 身分を隠して、銀行で口座を開設したり、ゴルフ場でプレーしたりした暴力団幹部や組員を詐欺容疑で相次いで逮捕。暴排条項の導入は各業種で広がっており、警察当局は「〈暴力団お断り〉を形だけのものにしないためにも積極的に摘発する」としている。 暴排条項に反し、組関係者であることを隠して財産上の利益を得る行為を詐欺ととらえた事件は、昨年から急増。賃貸マンションの契約や、金融機関の口座開設などに着目したケースが多い。 兵庫県警は昨年9月、組員であることを隠して口座を開設し通帳をだまし取ったとして、暴力団山口組2次団体組長を逮捕。組長は「実害に乏しい」などとして不起訴(起訴猶予)となったが、今年に入ってからは、▽大阪府警が通帳詐取の容疑で組員を逮捕(5月)▽愛知県警などが、暴力団関係者の利用を禁じたゴルフ場でプレーしたとし