もう速記は必要ありません―。難解な専門用語が多い国会議員らの答弁を音声で認識し、自動で文章化するシステムを京都大が開発、4月から衆議院で正式に運用が始まった。京都大が12日、明らかにした。 国会の委員会名やさまざまな行政用語をあらかじめ入力。「えー」や「まあ」など頻繁に使われる冗長語を削り、約9割の正確さを実現した。 開発に携わった京都大の河原達也教授(情報学)によると、こうしたシステムを国会で採用している国はないという。衆議院は「発言を書き起こす膨大な手間を省ける」と期待している。 過去10年以上の議事録や、約500時間分の国会でのやりとりを基にデータを入力。発言者が冗長語を挟むタイミングや、「前向きに検討したい」「説明責任がある」などの決まり文句も認識できるようにした。 ただ完全な議事録にするには、録音した内容を基に間違っている部分を手作業で修正する必要がある。