トラック荷台の貨物が交通事故によって破損した場合、荷主に対して破損分の損害賠償を余儀なくされる立場のトラック事業者。事故の状況はさまざまだが、事故前後の振る舞いによって、その立場は厳しくもなり、また最小限の賠償内容で済むケースもある。さらに、事故後の取引の継続を望むのか否かによっても振る舞い方は変化する。「安い運賃で仕事をしているのに、賠償となると何千万円か、それ以上にも膨らみ得る。そもそも運賃設定、それに賠償義務も含めた契約の中身について、大きな議論が必要」。トラック事業者の置かれる事業環境の枠組みを見直す必要性の声も聞かれる。 兵庫県内のトラック事業者は1月下旬、取引先から1枚の「請求書」を受け取った。取引先は、運送の仕事を事業者に発注する立場なので、通常は事業者から請求書を受け取る側だ。 請求金額は、3400万円あまり。支払い期限は1月31日。備考欄の説明には、昨秋発生した交通事故に