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ブックマーク / agora-web.jp (26)

  • リフレ派の敗走 - 池田信夫

    昔々あるところに、「リフレ派」という(自称)経済学者がいました。リフレーションというのは要するにインフレのことで、「インフレ派」というのは格好が悪いので、こういう名前にしたんだそうです。こんな奇妙な「派閥」が存在するのも日だけで、ガラパゴス経済学の典型です。 彼らの主張は「日銀がお札を刷ってインフレにすれば、日はデフレから脱却できる」というものです。このもとになった1998年のクルーグマン論文はなかなかよくできており、私も最初読んだときはなるほどと思ったものです。彼の論理は単純で 日の不況の原因は「貸し渋り」ではなく、投資需要が低くて自然利子率がマイナスになっていることだ。 名目金利をマイナスにすることはできないが、インフレを起こせば実質金利(名目金利-物価上昇率)はマイナスになる。 しかしゼロ金利では国債と貨幣は同じになるので、いくら貨幣を供給してもインフレにはならない。 中央銀行

    リフレ派の敗走 - 池田信夫
  • 大学生は勉強しなくていいのか

    の(とくに文系の)大学生があまり勉強しないというのは、いまに始まったことではない。恥ずかしながら、私自身も、大学生の頃は決して勉強していたとはいえない。しかし、先輩も、そのまた先輩も、それ以前の先輩も、たいして勉強しないでもやって来られたからといって、いまの学生が同じように勉強しないでやっていけるのだろうか。この問いに対する答えは、たぶん否(NO)である。 現在、雇用をめぐって、少なくとも次の4つの構造的で不可逆な環境変化が起こっている(起こってしまった)。 (1)日経済の期待成長率の低下 企業規模が年々大きくなっていくと期待できるわけではないので、長期雇用を保障したり、年功賃金制を維持することが必ずしも経済合理的ではなくなってきている。 (2)グローバル化 グローバル化には、格差を拡大する側面と格差を縮小する側面とがあり、全体的には中立的であるとされる。ただし、日の場合には、中国

    大学生は勉強しなくていいのか
  • 岡田外相の「天皇お言葉」発言は当然だ!- 北村隆司

    岡田外相が、国会の開会式での天皇陛下のお言葉について「ほぼ毎回同じ内容で閣議決定されている」と見直しを提起された事は、当然の提言だと思います。 ところがこの発言に対し、鳩山首相や福島社民党首を始めとする民主党の幹部や自民党の大島幹事長など、与野党を超えた批判が起きたと知り腰が抜けるほど驚きました。 「君臨すれど統治せず」の英国型皇室を目指した新憲法下の日皇室のあり方は、「天皇は、日国の象徴であり日国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日国民の総意に基く(第1条)」と定め、「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ(第3条)」と規定し,第7条で国会召集(お言葉)も国事であると明確に定めています。 もし、これまでの内閣が「天皇のお言葉」を「見直しもせず」黙認してきたとすれば,天皇の「国事」をないがしろにした怠慢です。お言葉が「宮

    岡田外相の「天皇お言葉」発言は当然だ!- 北村隆司
  • フラットな法律 - 矢澤豊

    先週土曜日、磯崎哲也氏が、氏のtwitterエントリーで、私のストライクゾーン真ん中高目のトピックに関して触れておられていたので、不面識の失礼も省みず、長々とお返事してしまいました。「英国法における信託とエクィティ法の発展」という、超マイナーな話題でしたが、その折に、以前から抱いていた「法律」に関する考えに、一つの啓示があったので、書き留めておきます。 イギリスの大学で法律を勉強し始めた1年生の1学期、「法学(Law)」という、いわばオリエンテーション的科目がありました。その一時限目のリーディング・リストにあった小論文が衝撃的だったのを今も覚えています。(筆者の名前は失念してしまいましたが。) 曰く、英米法において採用されているコモンロー法制度は、ヨーロッパにおける大陸法制度、つまり現在日でも採用されている法典法制度に比して、数段優れた法制度である、という主旨でした。 イギリスの大学でイ

    フラットな法律 - 矢澤豊
  • 堀江貴文の強さと失った石 - 渡部薫

    昨日のアゴラ起業塾はホリエモンこと堀江貴文氏の講演でした。あのライブドア事件(2006年1月)から約3年半ぶりに公の場でいろいろな話をしてくれました。昨日会場にいた人は堀江氏から学ぶことは多かったのではないかと思います。 堀江氏はとても率直な話をしてくれたと思います。ベンチャー企業の心がけについて、そして今私たちが暮らしている社会にある非常に危うい法との触れ合いについて語ってくれました。 堀江氏は以前から自分が関わっている事に関して警告を発していました。例えば2005年ごろは株式市場について、「きちんと証券市場を知って対応しなければ外国の証券会社にいいようにやられますよ」とか。 そして今堀江氏が熱心に警告してくれているのが一般市民に対する法との付き合い方です。普通の生活をしている人にとっても、結局のところ法に触れる触れないはお上の判断加減一つでどうにでもなるという仕組みに問題があると。そう

    堀江貴文の強さと失った石 - 渡部薫
  • 大ざっぱに正しい経済学を - 池田信夫

    BusinessWeekで、「経済学は役に立たない」という特集をやっています。このごろ雑誌で経済学を取り上げると、必ずこういうテーマで、うんざりします。 ただ役に立たないことは事実で、経済学を自然科学と同じ意味での「科学」と呼ぶことはできません。自然科学で、たとえば明日の朝、太陽が東から昇るか西から昇るかで論争になることは考えられない。ところが経済学では、今のような危機で政府が何をすべきかといった基的な問題についてさえ、右から左までいろんな意見があって、全体としては何も結論が出ません。 もちろん経済が非常に複雑性の高い現象だというのが根的な原因ですが、経済学の方法論にも問題があります。科学としての体裁をとることに過剰なエネルギーをそそぎ、その来の目的である経済政策を処方することが、学問的に余り評価されていない。特に最近のマクロ経済学では、厳密な定量的モデルをつくることが評価され、動学

    大ざっぱに正しい経済学を - 池田信夫