タグ

ブックマーク / agora-web.jp (26)

  • 留学中の君へ

    クリスマス休暇中にイギリスに留学をしている後輩から相談されました。 英語が思うようにならず、劣等感を抱くこともあるとのこと。彼女は勤め先からイギリスのトップクラスの大学に送り出されたということで、使命感と現実の間ですこしあせっているようでした。 当は直接会っていろいろ話を聞いてあげたかったのですが、諸般の事情からメールでのやりとりですましてしまい、簡単なアドバイスしかできないで、すまない気持ちが心の片隅でわだかまっているので、この場を借りてもうすこし詳しく私の考えを書き留めておきます。 言葉の問題はしょせんフィジカルな問題だと思ったほうがいいでしょう。言葉という道具を使いこなすということは、つまりはスキルの問題なので、これは継続的な練習を積み重ねることでしか解決できません。たとえればウェイトトレーニングと一緒だと考えていいでしょう。もちろんウェイトトレーニングと同じように、その方法はいろ

    留学中の君へ
  • 資本利潤率がゼロになる日

    主義の経済システムにとって質的な矛盾は、マルクスを引用するまでもなく、資の蓄積そのものが資の利潤率を引き下げるという問題である。別に難しいことではない。資蓄積につれて、分母としての資総量が大きくなれば、分子としての資利潤が同じ率で大きくならない限り、資利潤率は、維持できないということにすぎない。 経済の成長初期において、資が不足しているときには、資は豊かな投資機会を見出す。しかし、理の当然として、資の蓄積が進んで経済が成熟してくれば、利用できる資総量に対する投資機会は減少していく。ゆえに、資利潤率は低下しなければならない。 資利潤率の判り易い指標は金利である。日では非常に長期に及んで、低金利が定着している。人口が減少に向かおうという日のことだ。世界有数の規模にまで蓄積された資は、行き場を失って久しいのである。いわゆる金余りである。ところが、いまや、日

    資本利潤率がゼロになる日
  • 英語力向上のために贈与税非課税枠の活用を --- 柴田 浩幸

    2013年の税制改正により、2013年4月1日から孫への教育に関する贈与税が一人あたり1500万円まで非課税になる。金融資産の高齢者への偏在が問題となる中で、次世代への積極的な投資に結びつく有効な政策と評価したい。また政府が政策方針を発表後、学習塾の株価が上昇したり、信託各社が「教育資金贈与信託」の4月からの発売をあいついで決定したりするなど、市場の反応も上々である。 私は、今回の新しい取り組みがより、次世代の教育にとって役立つものとなるには、文部科学大臣が決定する「教育費」の範囲がどこまで適用されるのかということが重要であると考えている。なぜなら、近年のIT技術の発達やグローバル化によりもたらされた新しい形の教育が、今回の「教育費」の範囲に含まれるのであれば、若い世代がより次世代に必要な教育を受けることができるようになるからである。逆に、既存の教育のみを「教育費」の範疇とするのであれば、

    英語力向上のために贈与税非課税枠の活用を --- 柴田 浩幸
    junho
    junho 2013/03/31
    [アゴラ[英語]フィリピン留学
  • 起業は重要か - 『自由市場とイノベーション』

    自由市場とイノベーション 著者:ウィリアム J ボーモル 勁草書房(2010-12-24) 販売元:Amazon.co.jp ★★★★☆ 経済学の教科書では、完全競争によって価格が限界費用と一致してパレート効率的な状態が実現することになっているが、著者はこのような静的な効率性は資主義の驚異的なパワーを説明できないという。成長にとって重要なのは価格競争ではなくイノベーションによる製品差別化であり、利潤がゼロになることはなく、それは望ましくもない。固定費用が大きいときは、それを回収するための超過利潤が必要であり、完全競争より寡占のほうがいいという。 これはイノベーションにとって起業家精神が重要だという通説とは違うが、著者は多くのデータをもとにして、イノベーションの2/3は大企業の研究開発部門で生み出されているとする。ベンチャー企業の役割は、新しい「ゲームのルール」を見つけることで、彼らの冒険

    起業は重要か - 『自由市場とイノベーション』
  • 官民で海外からの技術移転を踏み台に成長する中国

    海外技術中国に移転させ、それを踏み台にして、技術革新を加速させ、海外市場にも打って出る貪欲な中国の成長戦略が目につくようになってきました。そんな中国の成長戦略は、新たな国際摩擦になってくるでしょうが、この流れは、中国が成長する魅力的な市場であり、日や欧米の先進国の企業間が中国市場での主導権をめぐっての国際競争をつづける限り、中国側がカードを握りつづけ、歯止めをかけることが難しいのが実態です。 日技術優位も大きく揺らぐ時代にはいってきており、日がどのように競争優位の戦略を描くのかが大きなテーマになってきています。 きっと、中国国有企業「中国南車(CSR)」の新幹線列車「和諧号」が「営業運転する列車の中で世界最速」を実現しただけでなく、それを売りにして、米国やブラジルなどの新幹線プロジェクトで、日の強力なライバルとして登場してきことに、あっけにとられ、苦々しい思いをもったのは、技術

    官民で海外からの技術移転を踏み台に成長する中国
  • まず5年後、10年後の日本のあるべき姿をイメージする。そして、その日本に必要とされるような人材となることを目指す。

    まず5年後、10年後の日のあるべき姿をイメージする。そして、その日に必要とされるような人材となることを目指す。 私の以前のアゴラ・エントリー、「明治維新が二度と起らない理由」が、最近思いがけずアクセス数を伸ばしておりました。 「こはいかに?」と思っておりましたら、ネットセレブな方々が再度ツイッターで取り上げてくださったことが原因らしい。ありがとうございます。 おかげさまで色々とフィードバックをいただき、それを興味深く読ませていただきました。 おおむね論調に同意してくれている方々が大半という印象でしたが、「想定の範囲内」程度に、あからさまに私を「バカ」呼ばわりされている方々も散見され、なかなか楽しいツイッター風景でした。 しかし中には看過できない反対論調もありましたので、ここでそれを取り上げたいと思います。 私が書いた、 ...「日」という殻にとじこもり、 「私の雇用を守ってくれ、賃金

  • ハリー・ポッター、フリーメイソン、江湖、神田お玉が池...人と人とが出会う世界 - 矢澤豊

    みなしごで、養父母の元でみじめな生活をおくるハリー・ポッター少年。彼が寄宿舎学校へ入学することにより、友だちを得て、ダンブルドア校長に代表され、かつ象徴される「社会秩序」にうけ入れられるとともに、実の両親の死の真相という自らの来歴(=アイデンティティー)を知り、仇敵ヴォルデモートとの対決という自らの使命を自覚する。 「ハリー・ポッター」に展開されている人生観や価値観は、イギリスのパブリック・スクールと呼ばれる、私立寄宿舎学校文化に根ざしたものであるといえるでしょう。 イギリスのパブリック・スクールの起源は、家庭で家庭教師を雇うだけの財力がなくなった貴族の子弟のために設立された学校です。要するに「プライヴェート」での教育ができなくなった人たちのための「パブリック」スクールというわけです。 パブリック・スクールは、その発展途上で恣意的にイギリス社会の礎石となることを意図されています。 宿敵フラ

    ハリー・ポッター、フリーメイソン、江湖、神田お玉が池...人と人とが出会う世界 - 矢澤豊
  • 上海で飲食店を開くー小谷 まなぶ

    の飲店業界が、中国で飲店を開きたいというニーズが高まっています。個人的な話ですが、5年ほど前に、上海で飲店を開業したことがありました。 日のある投資家の方からの依頼があり、『上海で日式のラーメン屋さんを開店したいので、是非、手伝って欲しい。』と言われて、上海市内で3店舗、店をOPENさせた経験があります。 初めて上海で飲店をOPENさせることもあり、手探り飲店の開業準備を行ないました。上海で飲店を開くために、まず行なうことは、会社登記です。外資の場合は、資金は、14万USドルが必要となります。会社登記を行なう場所は、実際のレストランを開業する場所と違っても問題がありません。開業方法としては、レストラン管理会社をどこか上海市内のオフィスのある場所で登記した後に、実際にレストランを開業する場所に支店登記を行なって営業を開始します。 上海でレストランを開く上で、一番困ること

    上海で飲食店を開くー小谷 まなぶ
  • 上海オフショア法人口座を考える。ー小谷 まなぶ

    中国投資というキーワードを考えるときに、常に話題に上がるのが、香港オフショア法人口座の制度である 香港にあるHSBCなどの大手銀行でオフショア法人口座を開設できることは、有名な話である。オフショア法人口座が、なぜ、人気があるかは、海外(外国)の法人や個人から香港のオフショア法人口座に送金されてきた資金(投資・貿易など)に関しては、香港オフショア銀行口座内で、保留している資金に関しては、課税されないという制度である。 しかし、オフショア法人口座から直接の出金は出来ず、出金する場合は、オフショア法人口座から別のオンショアである法人口座もしくは、個人口座に送金して出金しなければならい。オフショア法人口座というのは、非常に面白制度で、香港であって、香港でない。だから、香港の税制で課税されない。という考えになる。 世界には、何十箇所かオフショア制度を認めている国や、地域がある。その中で注目されはじめ

    上海オフショア法人口座を考える。ー小谷 まなぶ
  • イギリスの法廷弁護士が習う英文スピーチの基本のキホン - 矢澤豊

    あまり「憂国」テーマばっかりでも、息が詰まります。また、「なるようにしかならない」(*1)ことを、ああでもないこうでもないと、あげつらったあげくに、いい歳したオヤジが悲憤慷慨する姿をさらすのも、度が過ぎると決して見好いものではありませんので、今週は趣向を変えます。 私が、1993~4年にかけてイギリスの法廷弁護士の資格勉強をしていたとき、またその後5年間の実務の中で、当然、 「法廷弁論とはいかに行うべきか」 というスキル(技術)の部分の訓練を、クラスごとの模擬裁判や、ビデオ収録した自分の「パフォーマンス」の講評などを通じて鍛えられました(*2)。 しかし、スポーツをやっている方は皆さんごぞんじのとおり、スキル・トレーニングと共に、基礎体力をきたえるためのフィットネス・トレーニングも欠かせません。 法廷弁論の基礎体力は、演説、ようするにスピーチにあるわけですが、この「スピーチ・フィットネス・

    イギリスの法廷弁護士が習う英文スピーチの基本のキホン - 矢澤豊
  • 愛国心が必要とされる時 - 矢澤豊

    「愛国主義とは祖国を愛することである。国粋主義とはその他を嫌悪することである。」(Le patriotisme, c’est aimer son pays. Le nationalisme, c’est d���tester celui des autres.) シャルル・ド・ゴール 私が真の「愛国心」に裏打ちされていない、ひ弱で卑屈な「民族主義」者や「国粋主義」者が大キライな理由は、彼らの価値観が世にもズボラでナマケモノな理論に依拠しているからです。 ただ、 「日人である」 というだけで、他に優れている、優れているはずだ、という集団幻想に酔っている様は、バカバカしいのを通り過ぎて、いささかウス気味悪いとは思いませんか。 さすがに、あちらさんが有人宇宙ロケットを飛ばしたあたりから見かけることが少なくなりましたが、 「日には、中国には到底まねのできない、もの作り技術がある」 などという論

    愛国心が必要とされる時 - 矢澤豊
  • 明治維新が二度と起らない理由 - 矢澤豊

    NHK大河ドラマ「龍馬伝」がヒットしているようですね。以前も申し上げましたが、歴史は民族が共有するアイデンティティーの根です。その歴史の中でも、特に人の心に訴える物語は、「民族のロマン」として、その国の文化における重要な部分、「宝物」になっているのでしょう。 日の幕末/明治の物語群のみならず、世界に目を向ければ、アメリカではFounding Fathersと呼ばれる建国の父たちによる、独立革命戦争の故事が、いまでもTea Partyなどという政治運動の名称の由縁になっているわけです。中国には「項羽と劉邦」、「三国志」から始まって、この手の物語の宝庫といった観があります。韓国ではやはり李舜臣でしょうか。 幕末の快男児、坂龍馬の物語に、日人としてカタルシスを感じることは、もちろん健全なことですが、「ブーム」などと言われ始めると、根が横着者にできている私には、どうも「これで当にいいのか

    明治維新が二度と起らない理由 - 矢澤豊
  • 成長率11.9%の中国にチャンスを求める。 - 小谷 まなぶ

    昨日のニュースで『中国の経済成長率11.9%』という非常に好景気な数値が発表された。今の上海は、万博開催を間近にひかえて、非常に活気がある。 私は、上海に住み始めて14年目になる。今は、上海市内の中心地に住んでいる。市内中心で走っている車をみると、ほとんどが高級車である。BMW、ベンツ、ポルシェなど、高級ドイツ車を至る所で見る。中には、マセラッティーや、フェラリー、ランボルギニーという超高級スポーツカーまで街の中を走っている。 比較的、日車は少ない。 自動車の販売価格は、決して安くない。日の新車ディーラーで販売している価格の1.5倍~2倍程度の価格で売られている。 上海市内では、日円で、1000万円以上する車が、ごろごろ走っているのである。 上海の中心地のマンション価格は、平米単価で50万円を超え、中には、平米単価100万円以上するようなマンションまである。 2000年の頃は、市内中

    成長率11.9%の中国にチャンスを求める。 - 小谷 まなぶ
  • [プレスリリース] アゴラブックス 4月から電子書籍を発行

    アップル社のタブレット端末、iPadが4月、日でも発売されます。これに合わせて株式会社アゴラブックス(東京・千代田区:池田信夫社長)は、日語で読める電子書籍を発刊・販売いたします。これはiPadを初めとするすべてのタブレット端末に対応し、書き下ろし書籍の新刊をはじめ、および既存の出版社との協力で既刊の書籍も電子文庫として販売いたします。 また著者によるダイレクト出版という形で、インターネットで広く著者を公募します。弊社にて審査し、質の高い原稿を電子化し、出版を行なってまいります。質の高い学術書も公募し、レフェリーが査読して電子化・販売してまいります。読者のみなさんの「復刊リクエスト」も募集します。 電子書籍の閲覧ソフトとしては、iPadのSafariをはじめ、すべてのブラウザでプラグインなしで読めるAJAXビューワーを開発しました。これはファイルをサーバ側に置いて端末からアクセスする「

    [プレスリリース] アゴラブックス 4月から電子書籍を発行
  • アゴラ : イマドキの起業のしかた - 渡部薫

    僕は自称、ベンチャー起業家。これまでに10社くらいは起業し、直接、間接合わせて40億円ほど資金調達して、自分の手金を投資したことがあっても、借金してまで起業したことはないし、保証人になったこともない。見方にもよるだろうがまだ成功はしていないが(苦笑)、リスクの割には大きな失敗もしていない。 そんな僕がここ1、2年で明らかに起業のスタイルが変わったと感じることがあり、起業を志している人の役に立てばと思いそのノウハウとイマドキの起業法を伝授したい。 まず心構えから。おいおい精神論からかよ、と思うかもしれないが、、、 ■心構え 1. 起業は怖くない リスクは避けるものではなくヘッジするもの。自分の許容できるリスクの範囲をきちんと見定めること。最大のリスクは恐れるという心の弱さのことなのだ。恐れるということを恐れよ! 2. 安定基盤を捨てなくても起業はできる。 サラリーマン諸君に言いたい。辞めると

    アゴラ : イマドキの起業のしかた - 渡部薫
  • あんなレベルの議論と報道で日本国民は満足したのでしょうか(天皇陛下の習近平副主席との特例会見に関して)- 矢澤豊

    アゴラにアクセスしていただいている読者の皆様、遅ればせながら今年もよろしくお願い申し上げます。 新年早々いささか賞味期限の切れたトピックで恐縮ですが、 昨年12月の天皇陛下と習近平副主席との特例会見に関して私見を述べさせていただきます。このことに触れておかねば、どうも気持ち悪くて、松飾りがとれた気がしませんので、一筆啓上つかまつります。ギリギリですが今日まで「松の内」ということでご寛恕のほどを。 この問題に関する議論は、憲法上の問題として論ずる人には国益論をもって反論し、国益論に依拠する人には「皇室への崇敬」という立場から攻撃を加え、そのまたワキから官僚バッシングの一環としての宮内庁/羽毛田宮内庁長官批判が入ってくるという混乱ぶりでしたので、私の独断で以下の通り論点を整理させていただきます。 憲法上の問題として 私が理解している範囲では、これはいわゆる「国事行為/公的行為」の違いをどこで線

    あんなレベルの議論と報道で日本国民は満足したのでしょうか(天皇陛下の習近平副主席との特例会見に関して)- 矢澤豊
  • 日本が輝きを取り戻すために - 堀江貴文

    明けましておめでとうございます。早いものでもう2010年になってしまいました。私は2009年は激動の年でした。まだ2006年の事件を引きずっていますが民事訴訟は2009年中に解決することが出来、ビジネス的にはやっと前向きな仕事に取り組めるようになりました。規制強化が次々と行われる中、特に新規事業 を興すベンチャー企業にとっては厳しい経営環境となりつつあります。コンプ ライアンス不況などという言葉も良く聞かれます。政権がベンチャー企業家などの成功者に対して嫉妬心を抱く大衆の心理に付け込み、結局官僚が権力を拡 大しているだけの話であると私は思っています。しかしそれでは夢がありません。ですから、現政権がもっと規制緩和の動きに振れてくれるように、各方面から提言をしていこうと考えています。 グローバル経済が広がる中、個人に求められているのは世界を知ること、そして世界の中で生きていけるようになることで

    日本が輝きを取り戻すために - 堀江貴文
  • 映画「アバター」が社会に示唆すること(デジタルによるリアルの「代替」) - 磯崎哲也

    ジェームス・キャメロン監督の最新作「アバター(AVATAR)」の公開が待ちきれずに、22日の「前夜祭」で同作品を見た。 これはスゴい。スゴすぎる。 この映画、キャメロン監督自身が「子供の頃、ありとあらゆるSF小説を読み漁っていた、その集約」と言うように、内容は「エイリアン」や「スターウォーズ」「デューン」といった今までの名作映画の面白いところをふんだんに詰め込んだ「だけ」とも言える。 (同じキャメロン監督の「タイタニック」を「『ロミオとジュリエット』と同じじゃん」と言ってしまえばそれまでなのと同様。) しかし、この映画で使用された「3D」技術が社会に与えるインパクトについては、非常に多くのことを考えさせられる。 (注:つまり、この映画は「3D(立体)」で観ないと意味が無いと思う。) 「今までも遊園地の劇場などで3Dコンテンツはあった。何も目新しくない。」とおっしゃる方もいると思うが、そう

    映画「アバター」が社会に示唆すること(デジタルによるリアルの「代替」) - 磯崎哲也
  • 「吉田ドクトリン」の呪縛 - 池田信夫

    沖縄の基地問題をめぐる鳩山内閣の迷走をみていると、矛盾だらけの日の国防政策の実態をあらためて見せつけられ、うんざりします。この背景には、鳩山氏の祖父もからんだ複雑な戦後史があります。 戦後、最初の総選挙で自由党が第一党になり、その党首だった鳩山一郎が首相になることは確実と思われていましたが、GHQは鳩山を(些細な理由で)公職から追放し、吉田茂が首相になりました。このとき「右派」の鳩山が首相になっていれば、平和憲法も安保条約もなかったかもしれないが、戦前から親米派だった吉田は、GHQの意向にそって軍を解体し、軍備を放棄する憲法をつくりました。 ここまではよかったのですが、朝鮮戦争以後、冷戦が格化すると、アメリカの対日政策は180度変わり、日に再軍備を要求してきました。しかし吉田は憲法を盾にとって再軍備を拒否し、その妥協の結果としてできたのが安保条約でした。アメリカは日を冷戦の橋頭堡と

    「吉田ドクトリン」の呪縛 - 池田信夫
  • 道理:日本人の法律観と経典主義という癌 - 矢澤豊

    前回、ヨーロッパ大陸法はローマ法に基づくとはいっても、歴史の流れから観た場合、実のところはローマ法の「移植/焼き直し」といったほうが事実に近い、というお話しをしました。今回は、日という国は法制度の「移植/焼き直し」を2回半してのけている国であるということを説明したいと思います。また現在の2回半目も、日人の心に宿る「経典主義」という癌を克服しないかぎり、遅かれ早かれ破綻するであろう、ということを述べたいと思います。 日が最初に異国から法制度を「移植/焼き直し」したのは、7世紀後半から8世紀の中頃までにわたる時期です。皆さんご案内のとおり、これは大化の改新(645年)以降、天皇家を中心とした中央集権国家の樹立を目指した時期にあたります。この間、天智天皇による近江令(668年?)、天武天皇の指示により制定された飛鳥浄御原令(689年)、そして藤原不比等がそのエネルギーと博識を注ぎ込んだ大宝

    道理:日本人の法律観と経典主義という癌 - 矢澤豊