高福祉・高負担で知られるスウェーデンの「素顔」を前回の当コラム(2009年8月25日「スウェーデン・モデルは成功か失敗か」)で紹介した。社会保障給付費のGDP(国内総生産)比を見ると、日本の27%に対してスウェーデンは52%と2倍近くに達する。 高福祉・高負担の社会は、税金が高いために競争力が低下して活力を失い、国家が衰退する・・・。そう言われてきたが、果たして本当なのだろうか。今回は企業を取り巻くビジネス環境に焦点を合わせ、この国の「素顔」を紹介したい。 厳しさ増す雇用環境、失業者対策で「起業」促進 「市場原理主義か否か」――。そういう単純な二分法では収まらない、様々な企業形態がスウェーデンには存在する。 簡単に言えば、誰でもたとえ外国人であっても、簡単に会社を設立できてしまうのだ。所有者が1名だけの有限責任会社(Aktiebolag)、すなわち会社をつくる本人が株式を全額保有する会社も
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