人は人とコミュニケーションしながら人生を生きていくが、そこで大切なのは言葉の使い方である。社会言語学の専門家である著者が、オンラインやネットでのコミュニケーションが増える現状をふまえて、「人に優しい話し方・聞き方」を解説。誰も排除されない社会に向けて、良好な言語コミュニケーションを行うために必要なポイントを整理して提示する。 言語コミュニケーションに関する研究の古典的モデルは「話し手が話し、聞き手がそれに反応する」といった話し手中心モデルだったが、現在は、聞き手の会話への積極的な関与や、創造的で活動的な側面に注目する研究が多くなった。 「聞き手の行動に着目して会話を観察してみてください。頷きや微笑み、相槌など、様々なシグナルを送ることによって、聞き手が話し手に継続的に応答していることがわかるでしょう。これらのシグナルは、多層的な情報を伝えています。聞き手の様々な応答シグナルは、聞いているこ