旧暦大晦日、1月27日の深夜、私服の中国公安(警察)と国家安全部(諜報機関)の数十名が香港の高級ホテル四季酒店に押し入り、滞在中の「明天系」持株会社CEOの蕭建華を拘束し、複数のガードマンとともに中国へ連れ去った。蕭はカナダ国籍を持ち香港永住権もあったが、そんなことはおかまいなし。蕭は連行されるとき抵抗しなかったという(各紙2017・01・31)。 中国情報治安当局が越境して香港住民を逮捕したのは、昨年の銅鑼湾書店事件以来2度目である。香港の「一国二制度」は名ばかりになろうとしているが、香港人は今回の強制連行事件に抗議していない。それは蕭が中国・香港の政財界で暗躍する人物として知られていて、出版言論の自由とか人権などには関係がないと見たからであろう。 蕭建華は1971年生れの45歳。400億元(6600億円相当)の資産を持ち、香港・中国の金融界では「なぞの大鰐」「株式市場の梟雄」といわれ、
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