タグ

ブックマーク / gendai.media (330)

  • ウクライナの「クルスク侵攻」で浮き彫りになった、世界とは異なる「日本の言論空間の事情」(篠田 英朗) @gendai_biz

    ウクライナのクルスク侵攻で見えた日の言論空間の事情 ウクライナ軍がロシア領クルスク州への侵攻を開始してから、約一か月がたった。初期の段階では、一般の方々のみならず、数多くの軍事専門家や国際政治学者の先生方の間でも、ウクライナの「戦果」を称賛する高揚感が広がっていた。今にして思うと、瞬間的なお祭り騒ぎのようだった。 他方、私は、ウクライナのクルスク侵攻の意義に、かなり懐疑的だった。そのため、孤独な心細い気がしていた。SNSレベルでは、あいつは親露派だ、老害だ、といった評価もいただいていた。 しかしウクライナに不利な戦況は今や明らかだ。ウクライナ軍のロシア領クルスク州国境地帯への侵攻は、膠着状態に入った。その一方でロシア軍はドネツク州を中心とする東部戦線で、急速な支配地の拡大を続けている。 果たして日の言論空間は、これからどうなっていくのか。 疑問の残るクルスク侵攻作戦の意味 ウクライナ

    ウクライナの「クルスク侵攻」で浮き彫りになった、世界とは異なる「日本の言論空間の事情」(篠田 英朗) @gendai_biz
    kaikaji
    kaikaji 2024/09/05
    "「ウクライナは勝たなければならない」という結論先取り型の主張が広範に広がっている""「ウクライナは勝たなければならない」の路線から外れてしまうと「親露派」のレッテルを貼られて主流派の言説空間から排除"
  • 大阪・関西万博の「経済効果3兆円」を信じていいのか? 財政学者の目に映るっていること(吉弘 憲介) @gendai_biz

    2025年大阪・関西万博の経済効果は約3兆円に上ると言われる。関西財界と関係の深いシンクタンク「一般財団法人アジア太平洋研究所(APIR)」や経済産業省による試算だ。大阪府の吉村洋文知事らは、会場建設費などのコスト増大を批判されるたび、このデータを持ち出して反論してきた。 だが、そもそも一般に「経済効果」と言われるものは何なのか。その額の大きさが、税金を使う巨大イベントを正当化する「錦の御旗」になるのだろうか。3兆円という試算の根拠や前提条件に問題はないのか──。 財政・経済政策研究者で、大阪維新の会の財政運営を徹底検証した著書もある吉弘憲介・桃山学院大学教授は『大阪・関西万博「失敗」の質』(ちくま新書)で、こうした問題についてわかりやすく解説したうえで、深く分析している。その一端を同書から引用する。 経済波及効果と事業の「正当性」 経済波及効果とは、短期的な需要の増加が国内経済の各生産

    大阪・関西万博の「経済効果3兆円」を信じていいのか? 財政学者の目に映るっていること(吉弘 憲介) @gendai_biz
    kaikaji
    kaikaji 2024/08/09
    "産業構造が所与のものであるので、特定の産業が地域から流出し十分な対応力を持たなければ外から供給力を調達する必要がある。こうした供給側の影響がどのように生じるかについて経済波及効果は判断材料とならない"
  • 長距離バスや貸切車は、GPSや内蔵機器で走行距離と速度を管理……作家・橘玲がウイグルを訪ねてわかった「中国化」の実態(週刊現代,橘 玲) @moneygendai

    ウイグル人やタジク人などの少数民族が暮らす新疆ウイグル自治区では、近年、大開発とともに中国の同化政策が推進されている。実際に旅して見えた驚きの現実とは。 前編記事『コーランが隣の家から聞こえたら通報せよ……作家・橘玲がウイグルを1400㎞旅して見えた「中国化」とは』より続く。 検問後に警察から電話が 「完全監視社会の実験場」といわれている新疆には、たしかに町のいたるところに監視カメラが設置され、中心部は交差点ごとに警察署が置かれている(しかも夜になると赤や黄色に派手に点滅する)。 だがそれよりもインパクトが強いのは、どの町でも大通りの街灯に中国の五星紅旗や、正月飾りの赤い提灯、中国結び(赤い紐を結んだ縁起物)が延々と飾られていることだ。 トルファンからは車をチャーターしてシルクロードのオアシス都市(コルラ、クチャ、アクス)を訪れたが、その間に何ヵ所か検問所があった。 外国人は車から降りて個

    長距離バスや貸切車は、GPSや内蔵機器で走行距離と速度を管理……作家・橘玲がウイグルを訪ねてわかった「中国化」の実態(週刊現代,橘 玲) @moneygendai
    kaikaji
    kaikaji 2024/07/12
  • コーランが隣の家から聞こえたら通報せよ……作家・橘玲がウイグルを1400㎞旅して見えた「中国化」とは(週刊現代,橘 玲) @moneygendai

    ウイグル人やタジク人などの少数民族が暮らす新疆ウイグル自治区では、近年、大開発とともに中国の同化政策が推進されている。実際に旅して見えた驚きの現実とは。 そこは絶望の社会なのか 中国西部の新疆ウイグル自治区は、古くから東アジアと中央アジアが接する交易の要衝で、ウイグル人、カザフ人、キルギス人、タジク人など多くの少数民族が暮らしている。 新疆では近年、石油や天然ガス、鉱物資源が相次いで発見され、西部大開発で多くの漢族が流入したことで緊張が高まり、2009年には域内最大の都市ウルムチでウイグル人の大規模な暴動が、14年には習近平主席の視察に合わせてウルムチ駅で自爆テロが起きた。 この事件に衝撃を受けた中国政府は、「イスラーム原理主義のテロリスト集団」と徹底的に戦うことを宣言し、新疆全体に膨大な数の警官・警察署を配置するとともに、監視カメラや顔認証システムを駆使した治安維持を推し進め、欧米の人権

    コーランが隣の家から聞こえたら通報せよ……作家・橘玲がウイグルを1400㎞旅して見えた「中国化」とは(週刊現代,橘 玲) @moneygendai
    kaikaji
    kaikaji 2024/07/12
  • 日本の少子化は「根拠なき対策」のせいだった…!「東京ブラックホール論」の欺瞞を暴く「東京の出生率が高い」データを一挙公開する!(藤岡 雅) @moneygendai

    を惑わす「少子化の正体」 6月5日に厚生労働省が発表した人口動態統計によれば、合計特殊出生率は1.20となり8年連続で低下して統計開始以来もっとも低くなった。また、厚労省は都道府県ごとの出生率も発表し、全国1位だった沖縄県の1.60に対して、全国最下位の東京都は0.99だった。 しかし、前編「意外!少子化を助長する「悪の権化」東京に、じつは出生率で「全国ベスト2」という“別のデータ”が存在していた…!日少子化対策を惑わせる「合計特殊出生率の大問題」」で見てきたように、これを真に受けて「少子化の原因を作っているのは東京都だ」と決めつけるのは早計だ。 合計特殊出生率は、その地域差を比較して少子化の原因を求めることにまったく適さないからだ。

    日本の少子化は「根拠なき対策」のせいだった…!「東京ブラックホール論」の欺瞞を暴く「東京の出生率が高い」データを一挙公開する!(藤岡 雅) @moneygendai
    kaikaji
    kaikaji 2024/06/17
    "「地方創生」は、別名「ローカル・アベノミクス」とも呼ばれ、2014年に安倍晋三内閣で始まった。東京一極集中の是正を目的に地方の活性化が目的だったが、いつしか少子化対策と一体として語られるようになった"
  • 潜伏49年で死去・桐島聡が属した「東アジア反日武装戦線」とは何だったのか(太田 昌国) @gendai_biz

    1970年代中頃に起こった連続企業爆破事件に関わったとして指名手配されていた桐島聡の死去が大きな話題となった。逃亡49年の軌跡が様々に語られたが、桐島が属していた「東アジア反日武装戦線」の思想と行動が正確に振り返られることはほとんどない。 60年代から70年代的の「政治の季節」に、社会運動が犯した過ちとなし得たことを真摯に見つめてきた民族問題研究者が、「反日」の全貌を明らかにする(集中連載=全4回)。 49年ぶりに現れた「重要指名手配犯」 「自分は桐島聡だ」「最期は名で迎えたい」――それが、まもなく命が尽きることを覚悟した人物が、入院していた病院側に発した言葉だったという。私たちにしてみれば、交番の掲示板に貼られた重要指名手配犯の顔写真で、それとなく馴染みになっていたのかもしれない人物が、49年ぶりに現われたというのだ。 49年といえば、市井の無名人でもよいが、唐突にもわかりやすい事例を

    潜伏49年で死去・桐島聡が属した「東アジア反日武装戦線」とは何だったのか(太田 昌国) @gendai_biz
    kaikaji
    kaikaji 2024/02/26
  • 犬が去って、豚が来た⁉ 日本人が知らない苛酷な歴史が、台湾の「力」の源泉だ。(若林 正丈)

    手軽で多彩な文化、どこか懐かしさを感じる街並み――。多くの日人にとって、台湾の魅力は「と観光」だ。しかし、この島がたどった歴史には、あまり目を向けてこなかったのではないだろうか。その苛酷な歴史にはもちろん、日も大きく関係している。〈短いが複雑で濃密な歴史〉が、台湾社会の「文化的な力」になっているという。 原住民のお墓」に驚く ――台湾に、日の観光客が見逃している「歴史を感じるスポット」はありますか。 若林 の冒頭でも紹介したのですが、芝山公園は、ぜひ行ってみてほしいですね。台北の士林区、地下鉄の芝山駅で降りて徒歩10分くらいです。 この公園には、福建省漳州(しょうしゅう)からの移住者が祖先を祀った恵済宮、同じく福建省泉州の出身者と広東から来た客家(ハッカ)などが争った「分類械闘(ぶんるいかいとう)」の犠牲者の慰霊碑、日植民地時代に台湾住民に殺された6人の日人学務部員の「六氏

    犬が去って、豚が来た⁉ 日本人が知らない苛酷な歴史が、台湾の「力」の源泉だ。(若林 正丈)
    kaikaji
    kaikaji 2023/12/11
    "「中華民国台湾化」っていうのは、台湾の人たちによる「アイデンティティの見直し」なので、それは「自分たちを形作っているのは、自分たちの歴史じゃないか」っていう認識でもあるのです"
  • 「台湾有事」はすでに始まっている! 「複雑で濃密な歴史」が緊張関係を生んだ。(若林 正丈)

    経済発展と民主化を達成し、ますます存在感を高めている台湾は、どんな歴史を歩み、どこへ向かうのだろうか。中国との緊張が高まるなか、2024年1月の総統選挙を控えて、新刊『台湾歴史』(講談社学術文庫)の著者、若林正丈氏に聞いた。変容する「台湾人」のアイデンティティを見つめてきた若林氏が感じる「有事」とは――。 「まつろわない人たち」への情報戦 ――このの最後に〈「台湾有事」はすでに始まって久しい〉と書かれていますね。 若林 私のいう「台湾有事」というのは、政界やジャーナリズムでいうのと、だいぶ違う意味だと思います。 通常、台湾有事といえば、中国がいずれ軍事行動に出る、その時アメリカは出てくるのか、日はどちらにつくのか、そういう話ですよね。でも、私はそういう話は専門ではないし、あんまりしていないのです。 中国のロジックからすると、台湾は「中国の一部」に決まっているわけです。一方で台湾の政府

    「台湾有事」はすでに始まっている! 「複雑で濃密な歴史」が緊張関係を生んだ。(若林 正丈)
    kaikaji
    kaikaji 2023/12/11
    "経済成長や民主化を実現させている台湾政府に対して、台湾の住民に失望させる。軍事的にも経済的にも「やられちゃうかもしれない」と思わせて、台湾政府に対するコンフィデンスを減少させることを狙っている"
  • ChatGPTは、世界を生ぬるい一様な言説のスープで一杯にしてしまうだろうか(全 卓樹)

    目のつくところにChatGPTの存在 人工知能が社会を根から変える、と言われ続けてもう10年にはなるだろう。今のところまだ、恐れられてたようなホワイトカラー職の大量消滅は起きていない。それでも平穏な日常のさなか、ふと目を落とした舗装の割れ目に、新しい草花の萌え出したのを見るように、突然の状況の変化に驚くことがある。 先日の昼休み、図書館の自習スペースの机を囲んで、4人の学生が肩をよせあってレポート書いていた。大学の日常のどこにでもある光景だが、ノートパソコンのスクリーンに見入る視線、お互いに目配せをする様子が、これまでと何か違っている。そっと近づいて、強いて楽しげな声で ——お、いい感じで勉強してるねえ。 といってパソコンを覗いてみる。予想通りChatGPTの画面がでていた。 ChatGPTとはもちろん「生成系AI」と呼ばれる最新の対話型人工知能である。何か質問を書き込むと、ネットの大海

    ChatGPTは、世界を生ぬるい一様な言説のスープで一杯にしてしまうだろうか(全 卓樹)
    kaikaji
    kaikaji 2023/10/08
    "世論が形成されるとき、実はこれに似たことが起きているようでもある。つまりわれわれは往々にして人間ChatGPTとなるのだ。多数意見を前にしてわれわれが時に感じる薄気味悪さの原因も、この辺りにある"
  • 中国の超大国化を支える「一帯一路」構想から見える、ロシアと中国の「決定的な違い」(篠田 英朗)

    現代の国際社会において最も根的な構造的対立は、米中対立であろう。 その中国の超大国化を支える「一帯一路」とは一体何か。なぜアメリカと並ぶほどの超大国となったのか。同じくアジアの超大国であるロシアとは何が違うのか。 激動世界のしくみを深く読み解く新刊『戦争の地政学』が話題になっている。 地政学から見た「中国とは何か」――。 (※稿は篠田英朗『戦争の地政学』を一部再編集の上、紹介しています) 一帯一路とは何か、ロシア中国の決定的な違い 中国が追求する世界戦略は、現在のところ「一帯一路」の概念によって説明されることが多い。 一帯一路とは、中国を起点として、アジア〜中東〜アフリカ東岸〜ヨーロッパを、陸路の「一帯」とし、海路も「一路」で結び、経済協力関係を構築するという戦略である。経済政策、インフラ、投資・貿易、金融、人的交流の5分野で、交易の拡大や経済の活性化を図ることを目指している。「一帯

    中国の超大国化を支える「一帯一路」構想から見える、ロシアと中国の「決定的な違い」(篠田 英朗)
    kaikaji
    kaikaji 2023/04/09
  • 日本では「生活保護を利用できるのに、利用しない人」が、ほかの国に比べて圧倒的に多い…残念な事実(田中 世紀)

    新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大した直後、政府の支援金を不正受給する事例がメディアを大きく騒がせました。 不正受給はもちろん問題ですが、一方で日には、生活保護を受給できる条件で生活をしているにもかかわらず、あえて受給しないという人がきわめて多くいるのです。 その実情や背景について、オランダのフローニンゲン大学の助教授・田中世紀さんが解説します。 (この記事は、『やさしくない国ニッポンの政治経済学 日人は困っている人を助けないのか』を抜粋・編集したものです) 「生活保護」と「スティグマ」 「恥」という概念はアメリカ文化人類学者ルース・ベネディクト(1887〜1948年)の『菊と刀』(1946年)でも触れられている。 この「恥」の文化に関連して、日では生活保護の不正受給が問題になることがある。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急経済対策としての持続化給付金でも、不正受給の問題が

    日本では「生活保護を利用できるのに、利用しない人」が、ほかの国に比べて圧倒的に多い…残念な事実(田中 世紀)
    kaikaji
    kaikaji 2023/02/22
  • いま「日本の国公立大学」で起こっている、パワハラ・大量解雇の「異常な実態」(週刊現代,田中 圭太郎) @moneygendai

    全国の大学では国による統制やトップによる独裁化が進み、弊害としてハラスメントの横行、非常勤教職員の大量解雇などの問題が起きている。背景にある大学政策と、大学崩壊の現状をレポートする。 大学・学生の自由が奪われている現状を紹介した前編『日の最高学府の「大崩壊」が始まった…京大ほか国公立大で起きている「ヤバすぎる事態」』に引き続き、まずは文科省OBの結城章夫氏が学長を務めている山形大学で、立て続けに起こったトラブルの内情を紹介しよう。 雇用破壊の「最前線」 '16年に設置したリチウムイオン電池の研究開発拠点「山形大学xEV飯豊研究センター」では、センター長による複数の職員に対するパワハラが明らかになった。しかしセンター長への処分は減給約1万円と軽かった。 米沢市に'11年に開所した工学部有機エレクトロニクス研究センターでも、教授によるパワハラが発覚した。国が求めるベンチャー企業の立ち上げに山

    いま「日本の国公立大学」で起こっている、パワハラ・大量解雇の「異常な実態」(週刊現代,田中 圭太郎) @moneygendai
    kaikaji
    kaikaji 2023/02/13
    "非常勤職員が大量に雇い止めされたのが東北大学だ。試験を受けて合格すれば限定正職員になれるとしたが、1140人の非常勤職員のうち、3割近くは試験を受けられないか不合格となり大学を去った"
  • 日本の最高学府の「大崩壊」が始まった…京大ほか国公立大で起きている「ヤバすぎる事態」(週刊現代,田中 圭太郎) @moneygendai

    全国の大学では国による統制やトップによる独裁化が進み、弊害としてハラスメントの横行、非常勤教職員の大量解雇などの問題が起きている。背景にある大学政策と、大学崩壊の現状をレポートする。 国家による「支配」 大学は教育と研究の場であり、社会の規範となるべき存在だと多くの人は思っているだろう。ところが今、全国の大学関係者から「大学が壊れてしまった」と嘆く声が聞こえてくる。 「しかも、今後さらに大学界に激震が走ると考えられています。莫大な予算を投入する代わりに政財界が大学運営の舵取りをする『国際卓越研究大学』の制度が、令和6('24)年度からの導入を目指して進められているからです。経済安全保障に大学の教育と研究が組み込まれるなど、大学を国策に沿って統制しようとする動きも加速しています」(国立大学関係者) 大学のあり方を大きく変えてしまったのは、小泉政権下で行われた'04年の国立大学法人化と私立学校

    日本の最高学府の「大崩壊」が始まった…京大ほか国公立大で起きている「ヤバすぎる事態」(週刊現代,田中 圭太郎) @moneygendai
    kaikaji
    kaikaji 2023/02/13
    "文科省の影響下にあるこの監事は、総長や学長の行状を会議の議題にできます。すると、北海道大学前総長のような、国の意に背くトップを解任しやすくなり、国による間接支配と統制が進んでしまうと危惧されている"
  • 直木賞受賞『地図と拳』、「満洲」をめぐる“歴史考証”のプロセスが圧巻だった…! 考証者が語る創作秘話(澁谷 由里)

    SF界の注目作家・小川哲による巨編歴史小説『地図と拳』が第168回直木三十五賞を受賞した。日露戦争後からの半世紀、満洲​のとある町という絶妙な舞台で、歴史・地理・風俗・文化の背景が緻密に描かれ、そこにダイナミックなドラマが展開するこの作品は、一読した読者を強力に惹きつけている。 この壮大な歴史ドラマはいかにして作られ得たのか。実は、作品の歴史考証には、ある中国史研究者が協力していた。『馬賊の「満洲」 張作霖と近代中国』(講談社学術文庫)の著者である澁谷由里氏がいま語る、創作と考証をめぐる秘話。 作家の「ツボ」を衝いた? カルト集団事件の研究書 第168回直木三十五賞受賞作『地図と拳』(集英社刊)の歴史考証を、『小説すばる』での連載開始前から単行刊行までの約4年間、筆者は手がけてきた。「満洲もの」を書きたいと志した著者の小川哲氏が、拙著を読まれて、担当編集者とともに筆者の研究室を訪ねて

    直木賞受賞『地図と拳』、「満洲」をめぐる“歴史考証”のプロセスが圧巻だった…! 考証者が語る創作秘話(澁谷 由里)
    kaikaji
    kaikaji 2023/02/01
  • 京大卒作家・佐川恭一が明かす「京大生が会社を辞めがちな理由」と「関西で一番ヤバい大学=BKC」(週刊現代) @moneygendai

    学歴」、それは時に人を幸せにし、時に人を不幸にする。学歴なんて気にしてはいけない、と否定する人がいるのも事実。しかし一方で、学歴にこだわり続ける人もいる。学歴を掴み取った者と敗れ去った者、双方の姿を描くことで注目を集めている作家がいる。慶應義塾大学卒の麻布競馬場さん(31歳)と、京都大学卒の佐川恭一(37歳)さんだ。 麻布さんは’22年に『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』を刊行、「タワマン」「港区女子」「東カレデート」といったキーワードを軸に、現代人の生き様を炙りだした。一方、佐川さんは最新作『清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた』でいわゆる「非モテ」や受験を扱い、独自の世界を築きながら青春の悲哀を描いている。 今回、現代日を代表する「学歴作家」の東西両横綱に「大学選び」をテーマにインタビューを行った。後編では佐川恭一さんに、関西の大学事情を語っていただいた。 「京

    京大卒作家・佐川恭一が明かす「京大生が会社を辞めがちな理由」と「関西で一番ヤバい大学=BKC」(週刊現代) @moneygendai
    kaikaji
    kaikaji 2023/01/31
    "神戸大学は人間捨てなくても何とか入れる大学という感じで予後がいいですね。就職にも強くてまともな社会人になるのにそこまで苦労してない気がします。僕の知ってる神大の人はみんな穏やかで優しくてちゃんとして"
  • 正しくないものを絶対許さない人々と国家…これは「日本の近未来」なのか(石戸 諭) @gendai_biz

    桐野夏生の新作『日没』は、時代と激しく摩擦する一冊である。舞台はおそらく近未来の表現が「不自由」になってしまった日、主人公は女性エンタメ作家、彼女が「総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会」(ブンリン)から召喚状を受け、携帯電話すら通じない作家収容所に入れられ“療養”が始まる……。 それだけを記すと、権力との対峙を描いた社会派小説だと思うかもしれない。しかし、この小説の真価は「対峙」にはない。全篇を通して鋭く問われるのは、誰が表現を不自由にしていくのか、誰が、綺麗で、正しく、美しい言葉だけが広がる社会を欲望しているのか、である。果たして、その答えは――。 現実が小説に追いついてきた 《最初に作家の収容所という構想を思いつきました。そこから収容所や全体主義を描いた小説を読んだり、資料を集めたりしていました。連載は2016年から始まりましたが、そのときから時代に追いつかれているかもしれないと思

    正しくないものを絶対許さない人々と国家…これは「日本の近未来」なのか(石戸 諭) @gendai_biz
    kaikaji
    kaikaji 2023/01/27
    "日本的な形で、今、香港で起きているような弾圧、監視社会化が進むのではないでしょうか。その入り口は、もしかしたら行き過ぎたポリティカル・コレクトネスを求める声かもしれません"
  • 「権力の統治から逃れる」のに「ダンディズム」が重要だってどういうことだ? フーコーが考えたこと(箱田 徹)

    思想家として活躍し、世界中に大きな影響を及ぼしたミシェル・フーコー。 彼はある時期以降、人々の行動や考えを絡め取り、ある一定の方向に導こうとする「統治」というものから、どのようにして逃れればいいのか、どのようにして身を引きはがせばいいのかについて深く考えるようになった。 そのさいに一つのキーワードになるのが「ダンディズム」である。 『今を生きる思想 ミシェル・フーコー 権力の言いなりにならない生き方』を上梓した天理大学准教授の箱田徹氏が解説する(記事は、同書の一部を編集したものです)。 「このようには統治されない技術」 16世紀とは、政治的な近代がはじまるとともに統治の問いがさまざまに噴出する時代であった。フーコーはこのときに統治をめぐっても、いまある統治とは別の統治のあり方を求める動きが生じることになると考えていた。 そして、2度目の来日直前に行った講演「批判とは何か」(1978年)以

    「権力の統治から逃れる」のに「ダンディズム」が重要だってどういうことだ? フーコーが考えたこと(箱田 徹)
    kaikaji
    kaikaji 2022/12/25
  • 人々はみずから進んで統治に協力する…権力が「上から」ではなく「下から作り出される」メカニズムを解剖する(箱田 徹)

    思想家として活躍し、世界中に大きな影響を及ぼしたミシェル・フーコー。 「権力」について徹底して考えてきたことで知られるフーコーだが、彼の思想が独特なのは、権力を「下から作り出されるもの」として捉えたところにある。 その独特の権力の見方について、『今を生きる思想 ミシェル・フーコー 権力の言いなりにならない生き方』を上梓した天理大学准教授の箱田徹氏が解説する(記事は、同書の一部を編集したものです)。 「権力は話すことを促す」 権力をなにごとかを禁ずるものとして捉え、その禁止の命令に逆らうことによって、権力による束縛を受けない状況を作り出そう、そうすることで私たちは自由になれる──こうした考え方は当時も根強くあった。 権力とは、なんらかのことを命じる一種の「法」(政府が定める法律の意味に限らず、宗教上の掟、精神分析が考える無意識の法といったものまで広げて考えてよい)であるのだから、その法の命

    人々はみずから進んで統治に協力する…権力が「上から」ではなく「下から作り出される」メカニズムを解剖する(箱田 徹)
    kaikaji
    kaikaji 2022/12/20
    "恣意的に権限を行使するのでもなければ、要請に基づいて機械的に命令を発出していたのでもない。市井の人びとの要請について訴えが正当なものであるかどうかを調査によって確認し、所定の手続きによって権限を行使"
  • 「講談社文芸文庫」は、なぜ「文庫なのに高価」なのか? その装幀に隠された「秘密」と「思想」(水戸部 功)

    生涯に1万5000点以上のの装幀を担当し、数々のベストセラーを生み出した装幀界のトップランナー、菊地信義。 今年3月に逝去した菊地が、35年にわたるライフワークとして手掛けたのが、講談社文芸文庫の装幀だ。 その集大成となる作品集『装幀百花 菊地信義のデザイン』が12月に刊行された。 多くの読者を魅了した菊地のデザインの「秘密」とその「思想」を、菊地に師事したデザイナー・水戸部功が読み解く。 (記事は「群像」2023年1月号への寄稿を編集したものです)。 「文庫」という理想 グーテンベルクによる活版印刷の歴史が始まって以来、日独自の出版形態として発展を遂げた「文庫」は、出版の理想の形といえる。活版印刷の発明が目指したのは、詰まるところ、言葉の複製だ。聖書を始めとするテキストを広く一般に普及させるには、それまでの、手で書き写すか木版かという方法では時間もコストもかかりすぎるため、効率的な

    「講談社文芸文庫」は、なぜ「文庫なのに高価」なのか? その装幀に隠された「秘密」と「思想」(水戸部 功)
    kaikaji
    kaikaji 2022/12/20
  • 日本での「不毛な反ポリコレの議論」を超えるために、これから「参照されるべき視点」(ベンジャミン・クリッツァー)

    3つの「エセ真理」 2018年にアメリカで出版されてベストセラーになった憲法学者のグレッグ・ルキアノフと社会心理学者のジョナサン・ハイトの共著が、11月末、日でも『傷つきやすいアメリカの大学生たち 大学と若者をダメにする「善意」と「誤った信念」の正体』という邦題で翻訳が出版された。 書は、アメリカの大学で巻き起こっている「キャンセル・カルチャー」や「ポリティカル・コレクトネス」の問題が発生する背景や、アメリカの学生たちが「Woke(政治や社会問題に対する意識が高い人たちの俗称)」になっている原因を分析したである。 具体的には、1995年以降に生まれてネットやSNSと共に育ってきた「i世代」と呼ばれる若者たちの世代的特徴や、学問の理念よりも経済的利益を優先するあまりに若者たちを「お客様」として扱うようになった現代の大学の体質などが、さまざまな文献や数多くの具体例を参照しながら、問題の原

    日本での「不毛な反ポリコレの議論」を超えるために、これから「参照されるべき視点」(ベンジャミン・クリッツァー)
    kaikaji
    kaikaji 2022/12/14
    ”弁護士たちに対する懲戒請求が右派のブログで呼びかけられて、13万件もの懲戒請求が集まり、その後に不当な懲戒請求であったとして損害賠償が認められた事件は、日本における右派版の「集合的沸騰」の一例”