難解な本というのは、ひとりで読むのは骨が折れるものです。そんなときに役に立つのが「読書会」。読書会という形式を使って何人かで本を読めば、わからないところがあっても挫折する危険性は格段に減ります。さらに読書会には、もっと意外な効用もあるといいます。 このたび、著書『難しい本を読むためには』(ちくまプリマー新書)が刊行された哲学者の山口尚さんが「読書会」のよさについて解説します。 * 難しい本を読むための方法のひとつが〈読書会を行なうこと〉である。私もこれまで多くの読書会に参加し、それによって、自分ひとりでは読み解くことができなかったはずのさまざまな文章を理解することができた。それゆえ、何を言っているかを知りたい難解な本があるのだが自分では手も足も出ない、という方々にたいしては〈読書会を行なうこと〉を大いにすすめたい。じっさいこのたび出版する本ではそれを大いにすすめた。この記事でも再度すすめさ