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ブックマーク / www.shenmacro.com (7)

  • 中国は不動産市場を放置して製造業大躍進へ : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍

    中国の定点観測。年初から中国株・香港株の急落が続き、その後経済指標の持ち直しや中国政府の不動産市況対策のヘッドラインで一度大きく持ち直した。景気が持ち直しており、住宅市場は依然回復が見えないが対策が既に打たれたので心配しなくてよい、むしろ経済成長が脱・不動産依存するのは好ましいことだ、というストーリーはどこまで走る余地があるのだろうか。 どうしようもなくなった住宅市場 住宅市場に対する中国政府のスタンスが引締め(房住不炒)からサポートに変わったのは明らかであり、売れ残り住宅を地方政府が買い取って公営住宅にする極端な政策まで打ち出した(5・17房産新政)が、一ヶ月経った今も目立った効果を挙げていない。中古住宅の価格指数は各大都市ともにチャイナテック・ブーム~パンデミックの上げ幅を全て吐き出し、2016年「棚改バブル」の水準まで戻っている。 トップ100大手デベロッパーの販売金額は下げ止まった

    中国は不動産市場を放置して製造業大躍進へ : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍
    kaikaji
    kaikaji 2024/06/23
    "チャイナショックの際の過剰生産力削減運動が中国当局自身の意志であったのと異なり、今回は過剰生産を通してGDPを維持しないといけないため" "その時に劉鶴が唱えたサプライサイド経済学はもはや全員が忘れている"
  • 全人代で幻に終わる中国の財政拡張期待 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍

    中国経済については昨年厳しめの記事を連発してから力尽きていたが、この間に一度財政拡張の期待というものが盛り上がっていた。2023年10月24日に中国の全人代(国会みたいなもの)常務委員会は財政赤字の拡大を可決した。前回の記事では「確かに理論的には春の全人代会期以外でも2ヶ月に一回開かれる全人代常務委員会(次回は10/20 -24)で補正予算を組むことは可能であるが、ある程度の埋蔵金的な資金を使える可能性はあるものの、財政赤字拡大まで踏み込む可能性は高くない。2023年暮れにあえて財政拡張を行うとすれば、それは2023年の成長目標の5%達成が危うくなった時である。しかし、2023年はゼロコロナ政策からのリオープン効果があるのでさすがに5%成長は余裕である」とスケジュールまで調べてあったにもかかわらず、まさか当に財政赤字が年末に引き上げられるとは思っていなかった。全人代が開かれる春まで待てず

    全人代で幻に終わる中国の財政拡張期待 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍
    kaikaji
    kaikaji 2024/03/08
    昨年の中央経済工作会議でGDP比3.8%の財政赤字が容認された際は景気回復の期待が膨らんだが、政府活動報告で財政赤字がGDP比3%にもどされたので景気回復の芽はついえたという見解。私もほぼ同じ見方をしています。
  • ウクライナ軍が反攻作戦で闘争心を使い切る : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍

    新たに始まったハマス・イスラエル戦争の影にすっかり隠れてしまったウクライナ戦争。前回の記事で取り上げた、西側の訓練と装備を利用したウクライナ軍の反攻作戦は、当初の宣伝よりやや遅れつつも、半年前にブログが予想した通りの戦場ザポリージャ州で大々的に始まった。反攻作戦について前回の記事では「今後の戦局としてはどちら側の攻勢も効果を挙げづらく、合計100万人以上が1000キロにわたってばら撒かれた戦線で長い消耗戦に陥ると思われる。前線の兵力が多ければ多いほど、凡ミスを挽回する機会が増えて膠着に陥りやすいのである」「ロボットアニメと違って陸戦では少数の新兵器が戦況を大きく変えることはない」と予想していたが、そこから更新する必要もないほど、戦局はその通りになった。 ザポリージャとは「急流を過ぎた(beyond the rapids)」の意味である。キエフから南東に向けて流れるドニエプル川はドニプロと

    ウクライナ軍が反攻作戦で闘争心を使い切る : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍
    kaikaji
    kaikaji 2023/11/17
    "代理戦争でないにしても、支援者の都合で戦局が全て決まるという点においてはまるで代理戦争であるかのようだ。ロシアが戦時経済の下で一心不乱に戦車と砲弾、ドローンの量産を続けたのと対照的"
  • LGFV債務が開く中国QEへの道と末期まで来た冷戦 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍

    中国景気の悪化は続いており、それに対して政府は連日刺激策を打ち出しているが、ブログの読者であれば全ての刺激策に共通点があると思いながら眺めていることだろう。規制緩和はまだよい方で、それ以外は号令ばかりで中央政府は全くお金を出さないのである。景気悪化に気付いたとしても脊椎反射で「従って景気刺激策が出て成長を下支えするだろう」と書いてきたエコノミスト達のシナリオから着々と遠ざかっている。中国景気の急速な悪化の起点を不動産バブル崩壊に結びつけ、また不動産バブル崩壊という共通点をもとに「日化」を論ずる声が多いが、ブログが中国民間企業の日的な「バランスシート不況」を否定したように、中国と1990年の日との共通点は限られている。中国経済の問題はあくまでもこれまで「バランスシート不況よりも猛なり」と表現してきた習近平政権の苛政である。 2023年8月までのいかなる時点でも中国には不動産バブルが

    LGFV債務が開く中国QEへの道と末期まで来た冷戦 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍
    kaikaji
    kaikaji 2023/08/30
    "地方政府は誰に何と言われようと今後財政緊縮に入るのが合理的であり、その分の需要不足を中央政府が財政赤字の拡大で引き受けてスムージングを行わないといけないが、中国共産党政府の歴史的な吝嗇さ…"
  • 地方財政の障子を突っつく中国の不動産不況 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍

    前回の中国の記事は様々なテーマを広く浅く取り上げたが、中でも不動産市場と地方財政についてもう少し詳細に見ていきたい。21世紀に入って以来どんなにゴーストタウンと笑われようと中国不動産バブルは存在しなかったし、不動産バブル崩壊懸念も陰謀論の範疇を出なかった。しかし2021年に始まった民営不動産企業の迫害に加え、ゼロコロナ政策とハイテク企業の迫害が招いた不況はいよいよ不動産市場に影響を及ぼし始めている。 他の多くの経済指標と同じように新築住宅販売件数(左)にもリオープンは存在せず、パンデミック中と変わらないペースにとどまっている。これはパンデミックで新築住宅の供給が限定的だったのと、習近平政権の民営不動産企業引締めで引き渡しまでにデベロッパーが倒産する懸念(カウンターパーティ・リスク)が燻るためであるが、純粋に住宅市場のセンチメントを表現する中古住宅販売件数(右)も、確かにパンデミック中より

    地方財政の障子を突っつく中国の不動産不況 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍
    kaikaji
    kaikaji 2023/07/22
    "中央政府は先進国より遥かに吝嗇であり地方交付税が増えそうにない。となると収入の激減を補えるのは「プロジェクトベースで採算が取れる」建前の専項債と傘下の公的企業(LGFV)に代わりに債券を発行させるLGFV債"
  • 中国リオープンは存在しなかったことを確認 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍

    パンデミックが明けた中国経済のリオープンは2023年の一大テーマになるとされてきたが、その失速が明らかになってきている。リオープンがインフレを輸出するなどという話もあったが、現実には消費者物価(CPI)は前年比でわずか +0.1%、生産者物価(PPI)は -3.6%と、中国は急速にデフレーションに向かいつつある。パンデミック後の世界の大半でインフレが続いているのとは全く異なる光景である。2020年頃からのブログの読者であれば、パンデミック中に主要経済体の中で中国だけがほとんど給付金を大々的に配らなかった(移転所得がなかった)ため、中国だけは余剰貯蓄が少なく消費と物価が戻らずむしろデフレを輸出すると何度も主張してきたのが記憶が残っているだろう。これはリオープンしたところで変わらない。逆に物価変動、特にインフレがいかに給付金(移転所得)のみによって規定されるかも、先進国と中国との比較で答えが

    中国リオープンは存在しなかったことを確認 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍
    kaikaji
    kaikaji 2023/07/22
    "本ブログの読者であれば、パンデミック中に主要経済体の中で中国だけがほとんど給付金を大々的に配らなかった(移転所得がなかった)ため、中国だけは余剰貯蓄が少なく消費と物価が戻らずむしろデフレを輸出する"
  • リチャード・クーによる中国経済の解説 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍

    ブログが様々な視点から見てきたように中国経済はますますデフレーショナリーになっている。そのモヤモヤ感はどうもいわゆる「バランスシート不況」ではないかと思えてきた中、バランスシート不況の大家である野村総合研究所のリチャード・クー氏が中国の東呉証券の招待で香港で講演を行ったのが中国で大きな反響を呼んだ。講演の内容どころか、最終的にはスライドまでインターネットで出回った。それ自体が既にデフレーショナリーである。バランスシート不況と最近流行っている「日化」はほぼ同義である。バランスシート不況とは バランスシート不況はクー氏が数十年にわたって推してきた有名な議論であり、筆者の手持ちの氏の著作、『陰と陽の経済学』からの丸写しで簡単に紹介する。当は『The Holy Grail of Macroeconomics: Lessons from Japan’s Great Recession』の方が有

    リチャード・クーによる中国経済の解説 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍
    kaikaji
    kaikaji 2023/07/22
    "バランスシート不況こそが習近平政権が理想とする経済環境" "中国共産党政権が強みとしているのは「公的債務を気にしない財政刺激」などではなく「景気のハードランディングを恐れない勇気」なのである"
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