まずはカナダ国民に感謝しなければならない。本書は大型本フルカラー390ページ(索引含め)のいわゆる豪華本なのだが定価は4000円。同種の大型本に比べれば圧倒的に安いのだ。それもそのはず、本書の制作にあたってはカナダ政府から助成金が出ているというのだ。何のためにカナダ政府が助成したのさっぱりわからないし、どの程度の金額だったかもわからないが、ありがたいことである。 これまでロケットの本は宇宙飛行士の本などは大量に出版されているが、宇宙探査機の本は「はやぶさ」関連を除いてほとんど見たことがない。考えてみるとロケットは探査機を宇宙にぶっ飛ばすために使われる輸送機であり、本来は探査機のほうが主役なのかもしれない。 「しんかい6500」や「ダイオウイカ」で注目を浴びているJAMSTEC(海洋研究開発機構)がどちらかというと、技術開発よりも自前の科学研究に重点をおいているように見えるのに対し、JAXA