ライター、カメラマンという仕事柄、出張が多い。筆者の場合、居住地である愛知県から西のエリア、関西や中国、山陰、四国、九州、沖縄にも行く。仕事とはいえ、旅の楽しみは食事。その土地の名物が食べられる店を入念にリサーチしてローカルフードを楽しんでいた。 ところが、いつの日からか突然、それがつまらなくなってしまった。いや、料理や店の人にはまったく罪はない。名物を食べさせてくれる店に足を運んでいるのは、筆者も含めて出張や旅行で訪れたよそ者ばかりで、その土地で暮らす人々の生活感が伝わってこないのだ。 ローカルフードとはその土地の人々によって長い時間をかけて育まれ、生まれたはずなのに肝心な人の姿が見えてこないのである。ローカルフードは観光客のためのものになっていることを実感したのだ。 地元の人々の生活感とノスタルジー 考えてみれば、筆者が暮らす愛知県もひつまぶしや味噌かつ、味噌煮込みうどんなどの店の中に
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