2015年4月23日、磁気圏観測衛星「あけぼの」が26年間の長きにわたる運用を終えました。これは長期にわたって宇宙空間の過酷な環境にさらされたことで、複数の機器が使えなくなったこと、そして高度が下がり太陽電池に光が当たりにくくなったことなどが理由です。 「あけぼの」は、元々はオーロラが光るメカニズムを明らかにすることを目指して1989年2月22日、内之浦宇宙空間観測所からM-3SIIロケット4号機で打ち上げられた磁気圏観測衛星です。オーロラは太陽からくる電気を帯びた粒子の流れ「太陽風」が地球の磁気圏と相互作用することで発生します。でも、太陽風がどのように地球の磁場と相互作用をするのか、その具体的なプロセスやメカニズムは明らかになっていませんでした(実はいまも多くの謎が残されています)。それを観測するのが「あけぼの」のミッションでした。あけぼのはオーロラを発生させるエネルギーを持った粒子の流