現在、世界中でさまざまな団体が開発途上国の援助にあらゆる形で携わっている。しかしそのうちのいくつが、10年、20年と続いているだろうか。 開発援助というものは、最新の設備、技術をただ現地に持っていけば済むという簡単なものではない。提供した設備や技術を生かし、応用していくマンパワーがなければいくら素晴らしいものとて無用の長物になってしまうだろう。開発援助で一番大切なのは「根付く」すなわち持続性である。多くの援助は資金的な問題、人繰りの問題でプロジェクトの時間が限られている。限られた時間で現地の人に技術供与し、一人前のプロジェクト後継者になってもらうのはなかなか難しいことだ。結果、世界のあちこちで「中途半端な支援」の遺産が残ってしまう。 「開発途上国の問題は、現地に適したやり方で、そこに住む人自身が解決していく」ことの実現を目指すNPO法人がある。京都大学大学院工学研究科教授、木村亮氏が200