【ニューヨーク=伴百江】ウォール街で"最後の非効率市場"と呼ばれ、高収益を上げる金融商品として注目されている市場がある。クローズド・エンド・ファンド(CEF)だ。今年のノーベル経済学賞受賞者のリチャード・セイラー・シカゴ大学教授も行動経済学の見地から研究対象にしたこともあり、米国でにわかに投資家から脚光を浴びている。米大手CEF専門運用会社のトーマス・J・ハーツフェルド・アドバイザーズ創業者のト
個人的になのだがこの夏はサハリンや沿海州の朝鮮人についていろいろ思うことがあり、その関連で「沿海州・サハリン近い昔の話―翻弄された朝鮮人の歴史」(参照)などを読んだ。この本については先日簡単な書評のようなものを書いたのだが(参照)、そのおり、コメント欄で強く勧められたのがこの「サハリンの韓国人はなぜ帰れなかったのか―帰還運動にかけたある夫婦の四十年」(参照)だった。精読にはほど遠いが二度読み返した。この問題に結果的に人生の大部を費やした著者ならではの貴重な記録だということがわかる。確かに、この本は、サハリン問題についてまず最初に読まれるべき本だろう。本の概要がてらに帯分を引用する。 戦前、戦中、開拓民として、また戦時動員によってサハリン(樺太)に渡り、終戦後も同地にとどまらざるをえなかった韓国人を故郷に帰還させるべく、黙々と運動を続けた日韓夫妻がいた。昭和十八年末、樺太人造石油の労働者募集
率直なところ、あまり多くの人に勧められる本ではないのかもしれないが、私には面白く、そして考えさせられることの多い本だった。「沿海州・サハリン近い昔の話―翻弄された朝鮮人の歴史」(アナトーリー・T・クージン)である。 内容は、沿海州及びサハリンにおける朝鮮人の近代史についてだ。文章は紀要か修論でも読んでいるような大味な感じなのだが、この問題に関心をもつ私などには面白い事柄に満ちていた。構成は沿海州とサハリンの二部に分かれている。 ロシア極東の朝鮮人 1862~1937年(移住の始まり/法的問題/文化の発展 ほか) サハリンの朝鮮人 1870~1992年(サハリン人として生きて/強制移住と弾圧 ほか) 率直なところ、出版社名(凱風社)やあおり文を読むと、うへぇまた左翼史観ですかという気にもなる。が、事実は事実だ。特に、日本が戦前行ったこの蛮行を覆うことはできない。 ロシア極東の朝鮮人が、どのよ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く