僕は、昨年、『Jazz The New Chapter』という本を2冊出した。それは、それだけジャズ・シーンは新譜が充実していたからこそできたものだし、同時にいまは黄金時代と呼んでもおかしくないくらいに次から次へと新しい才能が出てきているような状況だからこそ出せたというのもある。今年、ティグラン・ハマシアンにインタヴューしたときに、彼が「いまは才能あるミュージシャンがたくさんいる。僕はこの時代に生まれてラッキーだった。」というようなことを言っていたが、当事者が自覚するほど充実しているのかと思ったものだ。 さて、そんな中でジャズとヒップホップの蜜月は日々取りざたされている。ロバート・グラスパーの周辺のミュージシャンたちがコモンやマクスウェル、Q-Tipといったアーティストのサポートをしているだけでなく、今年はジェイソン・モランやマーク・ジュリアナがミシェル・ンデゲオチェロとコラボレートし、新