鵺は鎌倉時代に書かれた「平家物語」に登場する、宮中に現れて近衛天皇を苦しめていた妖怪だ。依頼を受けて源頼政が怪しげな黒雲に矢を放ち、地面に落下した怪物を部下の猪早太(いのはやた)が刀で止めを刺した。この妖怪は頭はサル、胴体はタヌキ、手足はトラ、尾はヘビに似ていたと書かれている。 鵺は長らく架空の生物と考えられてきたが、JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」2016年9月号で古生物学者の荻野慎諧(おぎの・しんかい)氏が大胆な新説を披露した。平家物語の別バージョンと言われる「源平盛衰記」では「鵺の尾はキツネに似ている」とされていることを手がかりに、以下のように話した。