The Keith Tippett Group 「Dedicated to You, But You Weren't Listening」 これは必聴でしょう。 ジャズならではの即興演奏の応酬が、ロック的ドライブ感に噴出していく様の素晴らしいこと。個人的にはジャズ・ロック最高峰に位置づけたい盤である。 Keith Tippett。 「Lizard」等、クリムゾンのアルバムに参加したことで名を知られるようになったジャズ・ピアニストだ。 今更ジャズとロックの融合うんぬん、という形容をしてみたところで新鮮味はないだろう。確かに、クロスオーヴァーならではのクリエイティビティとダイナミクスが、ロック的高揚感を伴って昇華するあたり、実にスリリングなんだが。 しかし、このアルバムの魅力は、そんな手法の巧妙さだけにあるんじゃない。ダイナミズムが圧倒的に「違う」のだ。音に賭けた、表現魂の熱さとでも