アジア人に向けられたヘイトクライムが急増 アメリカでは近年ヘイトクライムの問題が深刻だ。ヘイトクライムは人種や宗教に対する偏見に基づいた犯罪のことである。黒人に対するヘイトクライムは長年問題になっているが、2020年頃からは日系人を含むアジア系住民に対するヘイトクライムが急増している。 対象はこうしたマイノリティーと呼ばれる人種に留まらない。2022年2月に始まったロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻を受けて、今度はロシア系アメリカ人などをターゲットにした犯罪が増えた。 2020年、ミネソタ州で黒人のジョージ・フロイドさんが警察官に制圧され、窒息死する事件が起きた。これをきっかけにアメリカでは黒人の人権擁護を訴える社会運動、ブラック・ライブズ・マターが活発になり、人種的マイノリティーの人権について社会の関心が高まった。 各地で警察の対応に抗議する集会が開かれ、黒人だけでなく白人やアジア系、