垣谷美雨さん『老後の資金がありません』が 天海祐希さん主演で映画化! 2021年10月30日いよいよ公開
『嫌われる勇気』の最大の問題点は何か 先日、宇樹義子さんによるこちらのエントリを読んだ。 decinormal.com このエントリでは、『嫌われる勇気』によって有名になったアドラー心理学のデメリットについて簡潔かつ丁寧に解説されている。このブログでも以前『嫌われる勇気』の気になった点について指摘したが、こちらのエントリの方がまとまっているので『嫌われる勇気』の内容に疑問を持った方はぜひ読んでみて欲しい。 saavedra.hatenablog.com 個人的に宇樹義子さんの上記のエントリでもっとも重要な点は、岸見一郎氏のような「トラウマは存在しない」という主張は、重篤なトラウマを持つ人への二次加害になりかねないという部分ではないかと思う。『嫌われる勇気』を読んでいて一番気になった点もここだ。こちらのエントリでも紹介されている通り、実際に専門家からこのような指摘が出ている。 www.fac
2017年5月に経済産業省が若手・次官レポートとして発表した「不安な個人、立ちすくむ国家」は、「結婚して、出産して、添い遂げる」、「正社員になり定年まで勤めあげる」という「昭和の標準的人生」が21世紀には一般的ではなくなったため、この標準に基づいて設計された日本の制度や価値観が現代社会のあちこちに大きなひずみをもたらしているのだとしている。しかしながら、1950年代生まれにおいても定年まで正社員として勤めあげる人は34%に過ぎなかったという。彼らの人生が標準的なのだとすると、過半数のはずの66%の人々が歩んだ人生は例外的なものだったということだろうか。そもそも、一度しかなく、それぞれにバラバラのはずの人生の“標準”とは何を意味するのか。 『平均思考は捨てなさい』は、わたしたちの思考がどれほど平均や標準に縛り付けられているか、そしてその呪縛のためにどれほど多くの可能性が見過ごされてしまってい
4月24 深井智朗『プロテスタンティズム』(中公新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 1517年、ルターがヴィッテンベルク城の教会に「九五か条の提題」を貼り出し、宗教改革がはじまったとされています。 そんな記念すべき出来事から500周年の年に、ルターから生まれた「プロテスタンティズム」について書かれたのがこの本です。 ただし、この本は必ずしも宗教改革だけに焦点を当てた本ではありません。また、ルターやカルヴァンの思想に焦点を当てた本でもありません。プロテスタンティズムがどのような政治的・社会的コンテクストの中で生まれ、そのプロテスタンティズムがどのようにその後の政治や社会に影響を与えていったのかということが、この本の中心的テーマになります。 ある程度大胆にキリスト教の中にプロテスタンティズムを位置づけ、プロテスタンティズムのその後の展開と政治や社会との関係を描き出す筆致は非常に刺激的で、政
さまざまな思い渦巻く新生活のスタートに向け、今までにない角度から、より深い部分で神様との交わりを持つための手引きとなる本をご紹介! ジョン・ストット 日毎の聖書 ジョン・ストット 著 中台孝雄 訳 定価3,200円+税 東京基督教大学大学院 特任教授 倉沢正則 多くの人が一年で聖書を通読しようと志しますが、それによって聖書の全体が理解できるかというと、必ずしもそうではありません。日毎のデボーションで用いるツールも、手頃で短く聖書の一節から今日の糧をひもとくものから、ある特定箇所の聖書研究的なものまで多様ですが、聖書の全体を理解するように意図されているものは少ないようです。 しかし本書は、聖書の全体をしっかり学べて、しかも日毎のデボーションで用いることのできる優れものです。教会暦に沿って創世記から黙示録までの『聖書全体を一年かけて』(本書の原題)分かりやすく簡潔に解き明かしています。聖書の全
内容:日々の仕事やプロジェクトなどをつつがなく進めていくのに必要なのは計画を立てること。しかし、どう進めればいいのか、計画通りにいかない場合はどうすればいいのかなど、実際やってみるとわからないことは多い。今まで誰も教えてくれなかった「計画するスキル」を学ぶことでもたらされる効果とは。 「確かに『計画するスキル』など教わったことはない」という人には、ぜひとも一読することをお勧めする。本当になぜこれほど重要なことを、もっと早い段階、すなわち学校で教わらないのか不思議だ。大体「計画表を作っただけで満足」してしまったり、「計画通りいかない」ことが続いたりして、計画とは絵に描いた餅のように扱われがちだ。しかし、もちろん正しく「計画」すれば、そんなことにはならない。幸いにも、そのための技術を本書から学べる。 本書は、セミナーを基にして書かれているとのことで、語りかけるような文章のため、その分読み進めや
スポンサーリンク こういうエントリを読むような方は「三国志にはフィクションである三国志演義と陳寿の書いた正史である三国志が存在して……」などという話はとっくにご存知だと思いますのでそのへんは省略します。 書棚を見たら今まで読んだ三国志本が結構溜まっていたので、史実の三国志について知ることのできる本をこの際まとめて紹介してみようと思います。 1.金文京『三国志の世界』 中国の歴史04 三国志の世界(後漢 三国時代) posted with カエレバ 金文京 講談社 2005-01-15 Amazon 12冊も読んでられないから1冊だけにしてくれ、と言われたら自分はこれを選びます。 講談社の「中国の歴史」シリーズの1冊ですが、内容は非常に読みやすく、史実の三国志とフィクションとしての三国志演義の違いについて丁寧に説明してくれます。 董卓と袁紹を盟主とする反董卓連合軍の戦いは悪と正義の戦いなどで
ボンクラ青春SFとしての『虐殺器官』 ~以後とか以前とか最初に言い出したのは誰なのかしら?~(前島賢) ※このノートは全文無料で読むことが出来ます。 ※このnoteは、もともと『S-Fマガジン』2015年10月号(「伊藤計劃特集」号)に掲載されたものです(公開に当たり加筆修正を行っています)。2017年2月3日の劇場用長編アニメーション映画『虐殺機関』公開を記念し(と原作のとある要素がちゃんと映像化されていることを祈って)、全文を無料公開します。皆様の読解と鑑賞の一助となれば幸いです。 ※今回の公開を快諾してくださったSFM編集部に心から感謝いたします。 ■はじめに 伊藤計劃氏に直接お目にかかれたのは、とある雑誌での取材と、その縁で一度お見舞いに伺った程度だ。僕がライトノベルのライターだったこともあって、「自分もラノベを書いてみたい。鎌とハンマーで戦う社会主義的魔法少女の話とか」と言って笑
いつも刺激的なエントリーをアップされる 夜中たわし(id:tawashix)さんの最新の記事に、こんなブックマークコメントをつけさせていただきました。 歴史トンデモ考察小説『邪馬台国はどこですか?』オーディオブック版感想 - 夜中に前へ いやこれ疑似科学または科学哲学の本気の研究課題で、近代初期における天動説と地動説の論争は、後者が前者を論破し決着したのではなく、前者の論客が生物学的に死にかつ継承者がないので決着したとの由。てことは… 2017/01/06 00:53 b.hatena.ne.jp 夜中たわし さんの記事は、鯨統一郎『邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)』のオーディオブック版への書評です。同書は私は未読ですが、記事によると「ブッダは悟りを開いていなかった説」「邪馬台国、岩手にあった説」「聖徳太子、推古天皇と同一人物説」等々といったトンデモ歴史学説を大真面目に主張する登場
ta-nishi.hatenablo スポンサードリンク 「コミュ障」の視点に立つ誠実なコミュニケーション術の本です id:Ta-nishiさんのこちらのエントリが面白かったので、紹介されている『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』を読んでみました。 なぜ、この人と話をすると楽になるのか 作者: 吉田尚記,ヤスダスズヒト 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2015/01/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (13件) を見る 一読して、最初の章からこの本が徹底的にコミュニケーションに苦手意識のある「コミュ障」の立場に立って書かれた良書であることがよくわかりました。何が良いって、著者自身が「コミュ障」に悩んでいたために、同じ悩みを持つ人の辛さがよくわかっているという点。 でもよく考えてみてください。自信を持つとはどういうことか? それって結果なんです。処方でもなんでもない
勝間和代さんの本が売れている。なんでも出版する本はすべて10万部を越え累積で200万部を越えたという。 彼女は19歳で公認会計士の資格を取り3つの外資系の会社を経験し今は経済評論家としてテレビに雑誌にしばしば登場し人気絶大である。 私も彼女の本を何冊か読んだが彼女の考え方生き方に共感するところが多い。しかし、違和感を覚えるところがいくつかある。 そのうちのひとつは「起きていることはすべて正しい」という彼女の主張(このタイトルの本を出している)である。 この考え方はこの世のことはまあいろいろあるが、起きていることはその人の能力や努力の結果であるから、いわば起こるべくして起きたことでそれはすべて正しいことだというのだ。 しかし本当にそうだろうか。 私は自閉症の長男と肝硬変とうつ病を患った妻のため必死で仕事と家族の両立を図ってきて、どちらもかろうじてそこそこの結果を出したが、それはたまたま幸運に
最近の自己啓発界のスターって誰なのでしょうか。数年前までは勝間和代さんがそのポジションにいたと思いますが、最近はあまりこれという人が思い浮かびません。単に僕があまりその手の本を読まないこともあるんでしょうが、自分磨きに余念のないビジネスマン以外にも知られているほどのスターは、今はこの世界にはいないようにも思える。 スポンサードリンク それでも、書店を巡れば今でも成功本は次から次へと出版され続けています。それらの多くは一時期は読者を奮起させたとしてもその熱病はいずれは醒め、1年も経たないうちにブックオフに売られてしまう。百円本の棚はさながら成功本の墓場です。これほどに成功本の寿命が短いのは、結局そうした本を読んでも成功できないからでしょう。自分を成功に導いた大事な本を手放すわけがないのですから。 成功するノウハウを書いた本を読んでいるのに、なぜ成功できないのか。それは結局実践が足りないからだ
喜多 @kosyodoris 昔、某有名ファッション誌の編集者に「本屋ってなぜ接客しないの?黙って売れるのを待つだけなんてウチの業界じゃあり得ない。そりゃ潰れるわけだw」という内容のリプライを何度も執拗に送り続けられた経験があるのですが、商材の特徴は接客の違いにも表れるからそんな単純な話じゃないと思うんすよね 2016-10-11 23:23:12 喜多 @kosyodoris 先日の一個のツイートがビックリするほど共感多数みたいなのですが、お叱り含め厳しめのリプライも結構来ています。一部抜粋すると「なぜそう思うか」の説明と代替え案が足りないとのこと。単なる思い出話のつもりだったので「商材によって接客は変わる」以外の説は思いつかない。お許しを…。 2016-10-12 04:03:14 喜多 @kosyodoris 僕は古本屋の接客は、迷惑に思う人もいるから必要以上にしないだけで、熱心に棚
何年か前から、名古屋市に隣接する現住所と岐阜県の南部にある実家との間を、頻繁に往復するようになった。家庭の事情によるものである。 県境をまたぐとは言え、高速を使うと片道一時間足らずで着けてしまう。だが高速料金がバカ高いので、たいていは下を走る。そうすると二時間くらいかかる。 いつも同じ道ばかりだと飽きるので、たまにルートを変える。ごくたまにだが、帰途、時間の余裕がある時に、うんと遠回りをして、国道258号線を三重県北部まで南下して、そこから国道23号名四バイパスに乗り換えるということも、何度かやった。 そうするとさらに一時間くらい余分に時間がかかるのだが、なんでそんなことをやるかというと、二つ理由がある。 スポンサーリンク 一つ目は、国道258号線からの養老山脈の眺めが、とてもいいからだ。起点の大垣市から南下すると、トンネルに入るんじゃないかと思うくらい、平野から山懐をめがけて突進する。そ
先日、コラボ花うさぎのふたりで北陸アンソロ様に「海柘榴」というテキストとコミック作品で参加させてもらいました!! 【お知らせ】 ホームページの頒布情報を更新しました。 全部委託ですが、関西、福島、東京と、全国進出(?)目指しております!(笑)https://t.co/7Taqp53LT9 pic.twitter.com/QZ6a6cyziM — 北陸アンソロジー@7/18あまぶん委託 (@anthology_h) 2016年7月9日 【お知らせ2】 7/18(月・祝)開催・尼崎文学だらけ(#あまぶん)で「おとそ大学パブリッシング」様に北陸アンソロジー委託いただきます! 関西初頒布! よろしくお願いします!!https://t.co/nFSK40BF6s pic.twitter.com/DlcvXASC4r — 北陸アンソロジー@7/18あまぶん委託 (@anthology_h) 2016年
2016-06-28 京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。 ≪リーディング・ハイ≫ *この記事は、天狼院ライティング・ゼミで「読まれる文章のコツ」を学んだスタッフが書いたものです。 人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜 京都スタッフ三宅です。 あの、書店スタッフとしてこんなこと言うのもどうかと思うんですけど、 ぶっちゃけ、本読むのってめんどくさくないですか?? 借りるのでない限り、ネットやテレビみたいに無料じゃないし。 眠たい時に読んでると寝ちゃうし。 肩こりも酷くなるし。(これは私だけ?) だけど、読む。読んじゃうんですよね。 私は、本を読むのがめんどくさいけど大好きです。 なんでかというと、今まで本に、たくさん励まされてた
通常の生活もままならない最貧困の状況に陥った若い女性が、主にセックスワークで日銭を稼ぐようすを描くことで関心を呼んだルポルタージュ『最貧困女子』(参照)の若手のジャーナリスト鈴木大介氏が、41歳のときに脳梗塞で倒れた。本書『脳が壊れた』(参照)は、その渦中、その後、そしてリハビリを経て、高次脳機能障害に陥った状態を描いている。昨年の『新潮45』の10月号・11月号に掲載された『41歳、脳梗塞になりました』を加筆してまとめたものだ。よく描けているので、文章からは高次脳機能障害の様子は見られない。 若い人でも脳梗塞になることもある。その結果、死に至ったり、各種の大きな障害が残ったり、また外見から見えづらい高次脳機能障害を残すことがある。私も自著にも記したが、こうした問題に関心があり、この種類の本やよく読むようにしている。 鈴木氏の脳梗塞は右脳に発生したらしい。人間の脳は機能的に左右分担をしてお
スポンサーリンク togetter.com 何も司馬遼太郎なり、塩野七生氏なりが悪いとかどうとかいう話ではない。小説家の書いた文芸作品として享受して愉しむものだということ。それを学問としての歴史学の成果と混同する人がいるわけで、ようは読み手のリテラシーの問題。 https://t.co/0gebzOP8FR — 丸島和洋 (@kazumaru_cf) 2016年6月4日 司馬遼太郎や塩野七生の著作はあくまで「文芸作品」なのだからそれを本当の歴史と混同されては困る、という指摘を最近いくつか見かけました。国家の選良がそんなものを座右の書とするようでは困る、というツイートも。 司馬遼太郎・塩野七生を史実として捉える事についてTLが賑やかなので思い出したけど、10年以上前にテレビで最高裁判官のプロフィール紹介してた時、半数近くの裁判官の座右の書が「坂の上の雲」か「ローマ人の物語」だったのはさすがに
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