官邸主導なき岸田政権は「複合危機」を乗り越えられるか? 政権交代におびえた安倍・菅政権から脱却できるか…… 牧原出 東京大学先端科学技術研究センター教授(政治学・行政学) 岸田文雄政権の支持率が高止まりしている。昨年秋の発足から一時下がりはしたものの、概ね50%以上を保ち、最近では60%超を記録する調査もある。この間、新型コロナウイルス(以下「新型コロナ」)のオミクロン株の感染拡大や、ウクライナ危機などはあったが、大きな失政はなく、安定した政権運営ぶりを見せている。 野党に目を転じると、第一党の立憲民主党は低迷し続けている。昨年の衆議院選挙で共産党との選挙協力が大きな支持を得られず、枝野幸男氏にかわって代表に就任した泉健太氏の存在感も希薄である。国民民主党は、与党との協力に舵を切り、日本維新の会にも接近する。また、もともと与党に近い日本維新の会は、今や立憲民主党と並ぶ支持率である。 こうし
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