日本では銀行が中小企業の経営者に対し、企業が債務不履行に陥った場合に備えるための「個人保証」を要求するケースが他国と比較してはるかに多い。つまり、企業経営者は自宅や生活資金などを失う可能性があるのだ。そのようなリスクを取る人が少ないのは当然である。 2014年、金融庁はついに銀行に対し、個人保証の利用を減らすよう申し入れした。これを受けて、個人保証を必要とした中小企業向け新規融資の割合(金額ではなく件数)は、2015年の88%から2021年の70%へと徐々に減少している。 ただし、金融庁の新規融資のデータには、既存顧客に対する融資のロールオーバーと新規顧客に対する融資の両方が含まれている。ありうることだが、多くが前者であったとすれば、新興企業にはほとんど役に立たなかったということになる。 GPIFが果たせる重要な役割 岸田内閣は、巨大な年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に対して、V