スタディトレインを再運行、内陸線　机付き車両、２３日まで ※写真クリックで拡大表示します 秋田内陸線スタディトレインのお座敷車両で勉強する生徒 北秋田市の秋田北鷹高校の生徒に車内でじっくり勉強してもらおうと、秋田内陸縦貫鉄道は２１日、中間テストの期間に合わせて、机付きの車両を１両増やした「スタディトレイン」の運行を始めた。 一般客を含む１６０人が乗車。生徒はノートに書き取りをしたり、友達と相談したりしながら勉強に取り組んだ。２３日まで。 スタディトレインは昨年１１月からことし２月まで１２日間運行。３月のダイヤ改正で通学時間帯の列車は２両となったが、生徒やＰＴＡから運行を求める声があり、再び３両のスタディトレインが実現した。

地方鉄道甲子園、商標権を侵害？　大阪の代理店が見解示す 全国の鉄道マニアの高校生が集まり、ことし８月に秋田内陸線で開催を予定している「地方鉄道甲子園」について、「鉄道甲子園」の名称を商標登録している大阪の広告代理店が「商標権の侵害に当たる」との見解を示していることが１７日、分かった。近く、内陸線を運営する秋田内陸縦貫鉄道（北秋田市）に対策を取るよう求める。同鉄道は「イベントの内容も目的も違い、侵害とは考えていない」とし、主催する実行委員会と近く対応を協議する。 「地方鉄道甲子園」は秋田内陸線を活用した鉄道イベント「第１回全国高校生地方鉄道交流会」の略称。鉄道マニアが集まって企画力などを競う。私立成城高校など都内の３高校が実行委員会をつくり、ことし８月２２〜２４日に北秋田市と仙北市の内陸線沿線で開催する。 一方の「鉄道甲子園」は阪神電鉄子会社・阪神コンテンツリンク（大阪）が今年４月２８日

由利高原鉄道が新車両公開　鳥海山ろくの自然をイメージ ※写真クリックで拡大表示します ４月１日から営業運転を開始する新車両 ※写真クリックで拡大表示します 「ごてんまり」の模様が描かれた座席シートなどが備わった車内 県と由利本荘市の第三セクター・由利高原鉄道（春田啓郎社長、同市矢島町）は１５日、新たに導入した車両「ＹＲ３０００型」を、同市の鳥海山ろく線矢島駅で報道関係者に公開した。更新前の車両より馬力が約３割増し、車いす乗降用スロープや音声付きのドア開閉スイッチなどが付いたバリアフリー仕様。４月１日、矢島発午後２時５０分の列車で営業運転を始める。 新車両は、鉄道車両メーカー大手の日本車輌（しゃりょう）製造（名古屋市）が製作。全長１８メートルで更新前より３メートル長く、ボックスシートとロングシート、立ち席を合わせて定員１１４人。床面を約９センチ低くして乗降しやすくし、車いす対応のトイレや非

車両不具合、大雪などで遅れや運休　ＪＲダイヤに乱れ　 県内北部の大雪や車両トラブルの影響で１９日、ＪＲのダイヤが乱れている。 ＪＲ秋田支社によると、午前７時半ごろ、ＪＲ奥羽線鷹巣駅で下り寝台特急日本海のドアが閉まらなくなる不具合が発生し、青森駅までの運転を取りやめた。乗客約１８０人は鷹巣駅から後続の普通列車に乗り換えた。大館駅発の下り普通列車１本も同駅での除雪作業に時間がかかると見込まれ、運休した。 北上線では、１８日夜に発生した岩手県内での踏切事故の影響で上り普通列車１本が運休。羽越線では新潟県内のポイント不具合の影響で、下り寝台特急あけぼのが約１時間３５分遅れた。

三セク鉄道、連携目指してシンポ　公募社長が提言、由利本荘 ※写真クリックで拡大表示します 三セク鉄道の公募社長が活性化策を述べ合ったシンポジウム 第三セクター鉄道の活性化策を探るシンポジウムが５日、由利本荘市矢島町の日新館で開かれた。同市の由利高原鉄道など県内外５社の公募社長が、従来の三セク鉄道では実施に消極的だった乗車促進企画や、営業強化の必要性を述べ、「公募社長が得意分野を生かして連携しよう」との提案も出された。 パネリスト３人のうち、同社の春田啓郎社長は「沿線住民の協力を得ながら、鉄道を地域活性化のシンボルにしたい」と決意表明。秋田内陸縦貫鉄道（北秋田市）の酒井一郎社長は、商圏や誘客対象の見極めにより「乗って楽しい日本一のローカル線」を目指すと述べた。山形鉄道（山形県長井市）の野村浩志社長は公募社長同士の協力を提言した。 聴衆として参加した、いすみ鉄道（千葉県大多喜町）の鳥塚亮社

社説：秋田内陸線　斬新な発想で存続図れ 県と北秋田、仙北の沿線２市などが出資する第三セクター秋田内陸縦貫鉄道の新社長に、元そごう社員の酒井一郎氏（６３）＝神戸市＝があす５日に就任する。百貨店業界という異業種からの転身で経営手腕は未知数だが、既成概念にとらわれない内陸線の魅力アップ策の展開に期待が掛かる。初の公募による初の常勤社長として、経営改善に向けた力強いリーダーシップを発揮してもらいたい。 酒井新社長は「観光路線に特化して事業を進めることが内陸線存続につながる」との考えを示している。観光化についてはこれまでも取り組みが進められてきたが、スタッフ不足や財源難で思うような結果を出せなかった。手腕に注目したい。 内陸線を支援するため、県と２市は昨年４月、北秋田市阿仁庁舎に秋田内陸活性化本部を設置したが、行政の取り組みだけでは不十分だ。住民も含むそれぞれが役割分担に基づいて連携を強化する必

車内でじっくり期末テスト勉強を　内陸線が通学車両増結 ※写真クリックで拡大表示します 秋田内陸線車内の座席で勉強する生徒 秋田内陸縦貫鉄道は２９日、北秋田市の秋田北鷹高校の期末テスト期間に合わせて「スタディトレイン」と銘打った列車の試験運行を始め、約１００人の生徒が勉強に利用した。 車両を１両増やして混雑を解消し、高校生に車内でじっくりテスト勉強してもらう狙いだ。 高校生の利用が多い午前５時５４分比立内発、７時１０分鷹巣着の普通列車に掘りごたつタイプのお座敷車両（定員４０人）を１両増結し、計２両編成でテスト期間の計８日間に限って運行する。 生徒は１人で座ったり、友人同士で向かい合って座ったりしながら、こたつ板に教科書やノートを広げて真剣な表情で勉強していた。 秋田北鷹高が開校した４月から通学時間帯の列車が混雑し、生徒、ＰＴＡなどでつくる秋田北鷹高校秋田内陸線利用協議会（会長・小塚重

サイクルトレイン、利用は延べ６人　由利高原鉄道、周知不足響く 由利高原鉄道（本社・由利本荘市矢島町）が先月１５日から土日の計８日運行した、自転車が積み込める列車「サイクルトレイン」がこのほど終了、利用者数は延べ６人にとどまった。同社は「来年度は運行期間を延ばすなどして乗客の利便性をよくしたい」としている。 サイクルトレインは、自転車を分解したり折り畳んだりせずに車内に持ち込める。鳥海山ろく線薬師堂—矢島駅間（２０・８キロ区間）で１日２往復運行。ラッピング列車「宇宙戦艦ヤマト号」の１両に、専用スタンドなどが４台分取り付けられた。運行は今月１３日に終了した。 同社によると、先月１６日と２９日に１人ずつ、今月５日と１２日に２人ずつ利用した。「もう少し利用者がいると思ったので、がっかり。運行を知らない乗客も多く、周知不足もあった」と同社。来年度は、４月ごろからの運行を検討するという。

けん引用機関車仙台へ　復興支援で秋田臨海鉄道が貸与 ※写真クリックで拡大表示します 秋田臨海鉄道から仙台臨海鉄道に貸与されるけん引用機関車の前でテープカットする眞貝社長ら（左から２人目） 秋田市の秋田臨海鉄道（眞貝康一社長）は、宮城県多賀城市の仙台臨海鉄道（横田重雄社長）に貨物けん引用機関車１台を貸与した。東日本大震災で運行休止となった仙台臨海鉄道への復旧支援策の一環。秋田市土崎港の秋田臨海鉄道秋田港駅で６日、機関車の出発式が行われた。 機関車の貸与は、各地の臨海鉄道会社１０社による全国臨海鉄道協議会（事務局・神奈川）で決定。仙台臨海鉄道の要請を受け、秋田臨海鉄道の予備車１台を整備し、貸し出すことになった。 仙台臨海鉄道は、仙台港湾地区で製油した石油やキリンビールの商品などを宮城県内陸部に輸送してきたが、線路などが津波で流され、運行できなくなった。機関車は全３台のうち２台が流され、１台

次期社長公募、１次通過は１１人　秋田内陸縦貫鉄道 県と北秋田、仙北の沿線２市などが出資する第三セクター秋田内陸縦貫鉄道（若杉清一社長、北秋田市）は２７日までに、公募した次期社長の１次審査（書類選考）を終え、応募者６３人のうち１１人を２次審査（個人面接）対象者とした。来月１４日、同社取締役５人による２次審査を経て候補者１人を決める。 １次審査では、各取締役が提出された履歴書、これまでの経歴や実績の分かる書類、同社の経営改善についての小論文を採点し、上位１１人を２次審査の対象者とした。 同社は２次審査後に役員会を開き、候補者を次期社長に内定。臨時株主総会で次期社長を正式決定する。

所定経路で運転再開　寝台特急あけぼの、１３日から ＪＲ秋田支社は１０日、ＪＲ羽越線寝台特急あけぼのが１３日から、同線羽後本荘駅を経由する従来の経路で運行を再開すると発表した。 １２日までは奥羽線大曲、横手両駅を経由、東北線大宮駅まで乗降なしで運転する。 １３日以降運行分の切符販売は見合わせていたが、１０日午後５時１５分ごろ再開した。

来月内陸線ダイヤ改正、運行数を３本削減　高校統合などに対応 来月１２日のダイヤ改正で、秋田内陸線の運行本数が現在の３７本から３４本に削減されることになった。秋田内陸縦貫鉄道（本社・北秋田市）が１５日に発表した。削減は１９８６年の開業以来初めて。市内４高校の統合校「秋田北鷹高校」が４月に開校するのに合わせ３本を廃止、経費削減により経営効率化を図る。 廃止される３本は▽阿仁合午後３時３８分発・鷹巣午後４時３４分着▽鷹巣午前９時３２分発・阿仁合午前１０時２４分着▽鷹巣午後４時５３分発・角館午後７時２４分着。統合される合川、米内沢両高校の登下校時間に合わせて設定していた。同時に、通学で利用される上り２本の運行区間を短縮する。 このほか、下り１本で一般乗客の少ない区間を短縮。ＪＲとの接続確保のため、上り２本の区間をそれぞれ短縮、延長し、下り１本の運行時間を変更する。 経営効果として、若杉清一社

駅設備改修など実現に１億６千万円　内陸線と奥羽線の直通運行 県は９日、第三セクター鉄道・秋田内陸線（鷹巣—角館）とＪＲ奥羽線の定期的な直通運行の可能性を探る調査の中間報告を公表、実現に必要な鷹巣駅の設備と内陸線車両の改修に約１億６千万円かかることを明らかにした。今後、内陸線を運営する秋田内陸縦貫鉄道、ＪＲ秋田支社との協議を本格化。来年２月までに、直通運行の実施に向けた経費を来年度当初予算案に計上するかどうかを判断する。 内陸線と奥羽線の直通運行は、東北新幹線が全線開業し新青森駅まで延伸したことを生かし、青森側からの誘客増につなげるのが狙い。内陸線車両を奥羽線の大館駅や弘前駅まで乗り入れることを想定している。県は９月から、ＪＲグループのコンサルタント会社に委託し、実現の可能性を探る調査を進めていた。 直通運行は毎年、花見シーズンに内陸線車両を使って角館—弘前で行われているが、内陸線鷹巣駅

秋田内陸線利用者が７．５％減　第１四半期 秋田内陸縦貫鉄道（若杉清一社長）は７日、２０１０年度第１四半期の業績を発表した。利用者は前年同期を８９７３人（７・５％）下回る１１万７７５人にとどまった。１３年度までに年間利用者を６０万人まで回復する目標を掲げる中、０９年度実績の４６万人を下回るペースで推移している。 普通券利用者は、５月が花見客の利用などで前年を８０１人上回ったが、４月は３３４１人、６月は３０４３人減った。 定期券利用者は、４月が８３３人、５月が１２１０人、６月が１３４７人減少。このうち、通学客は前年並みで推移したが、通勤客が毎月千人以上減少した。 運輸収入は前年同期比４５４万円（８・４％）減の４９２９万円だった。

廃止の小坂鉄道、町が活用方針　鉄道試験線かテーマパーク目指す 小坂町は１１日、４月に廃止された小坂鉄道（２２・３キロ）を「鉄道専用試験線」か「テーマパーク」として活用することを目指す基本方針を示した。６月定例議会の一般質問で細越満町長が述べた。町は今後、沿線の大館市や、鉄道を所有する小坂製錬（小坂町）などと話し合って具体化に近づける。 貴重な産業遺産である小坂鉄道をまちづくりに生かそうと町は昨年１２月から、都内の鉄道コンサルタントを入れて、月１回の話し合いや視察、鉄道研究機関への相談を重ねて、活用方法を探ってきた。 町が示した活用方法は二つある。一つは、技術を開発したり安全性を確認する鉄道専用試験線としての活用。庁内検討会で座長を務める近藤肇産業課参事によると、国内に大規模な試験線はなく、国土交通省の諮問機関が昨年、将来の鉄道の在り方を提言した報告書の中で、その必要性を指摘したとい

内陸線利用３年ぶり増加、０８年度　乗車運動など奏功 県と沿線市などが出資する第三セクター・秋田内陸縦貫鉄道（岸部陞社長）の取締役会が４日、北秋田市阿仁支所で開かれ、２００８年度の乗車人員が４７万５４１人で、３年ぶりに前年度から増加したことが報告された。 同社によると、０８年度の乗車人員は前年度比２万７３４４人（６・１％）の増加。前年度を上回ったのは０５年度（７４３０人増）以来。内陸線の存廃論議の高まりを受けて県を挙げて繰り広げた乗車促進運動が一定の成果を上げた。 具体的には、老人クラブなど各種団体の積極的な利用、商工会や県が主催したイベント・ツアー客の増加が数値を押し上げた。このほか沿線の北秋田、仙北両市職員の通勤利用、北秋田市で開かれた全国植樹祭などの参加者らの利用も要因。

「釣りキチ三平号」運行へ　由利高原鉄道 由利本荘市のローカル線・鳥海山ろく線を運営する県、市の第三セクター「由利高原鉄道」（大井永吉社長、同市矢島町）は、同市でロケが行われた映画「釣りキチ三平」の全国公開（３月２０日）に合わせ、三平が描かれた列車「釣りキチ三平号」を運行する。同鉄道の利用者掘り起こしを狙った企画で、同作品の原作者で横手市増田町出身の漫画家・矢口高雄さんが全面支援した。 同線は、矢島—羽後本荘２３キロ区間を結ぶローカル線。列車１両の側面に漫画の主人公・三平を描く。まだ図柄は確定していないが、片側に地元子吉川でのアユ釣りをイメージした釣りをする三平とアユの魚体、もう一方に三平の顔のアップが描かれる予定だ。 大井社長が矢口さんに直接協力を依頼。趣旨に賛同した矢口さんが、漫画の著作権を持つ講談社と掛け合ってくれたという。そのおかげで、今回は無償提供の形となった。 同市で

内陸線再生への課題 「今後は、どこまで営業成績を上げ、活用を進められるかを考えていく」―寺田典城知事は先月２５日、第３セクター・秋田内陸線を少なくとも５年間は存続すると宣言した。経営不振の内陸線に対し、県がバス転換も含めた検討を始めたのが２００３年。５年間にわたる存廃論議に、ひとまず決着が付いた。 論議が始まってから０７年まで、廃線への懸念は高まる一方だった。内陸線を運営する秋田内陸縦貫鉄道（本社北秋田市）や地元自治体が経営改善に取り組んだが、業績は目標を下回った。０６年には、老朽化した施設の対策に９億円近く掛かることも判明。財源確保のめども付かず、寺田知事は「存続はなかなか厳しい」と廃止の可能性を示唆するようになった。 今年に入り、状況は変わった。北秋田、仙北両市の職員約１００人が定期券での列車通勤を始め、数万人の乗客増を見込めることになった。自治体が施設を所有する公有民営方式を導