スイスでバレエ教師、振付師として活躍するロッシ池上理恵子さん。趣味のバレエ(幼児から大人まで)と並行し、バレエ界を目指す次世代を多く教えている。「華やかな舞台の裏側は、本当に地道な努力の世界です」と語る(特記以外すべて筆者撮影) ある土曜午後のバレエのレッスンにお邪魔させてもらった。レッスンには10代の3人の生徒が来ていた。目の前で、様々なフォームを3人で一緒に取ってくれる。その一つひとつ、一人ひとりをロッシ池上は鋭いまなざしで見つめる。声をかけ、必要があれば手を添える。 両脚を大きく開いたり、その脚を上に移動して手で持ったり、体をぐっと反らせたり。ずいぶんと柔らかな動きができる3人だが、ここまで達するにはすでに相当練習をしてきたに違いない。聞けば、やはり、みんな7年もロッシ池上に教わってきたのだという。 最後には、1人ずつ自分の演目を披露してくれた。その間、ロッシ池上の目は、生徒の指先か