米国が初めてアフリカ系米国人(黒人)を大統領に選び、32年ぶりに民主党候補が一般投票の得票率で過半を獲得した後の1週間、米ニューヨーク・タイムズ紙ウェブ版で最も多くメールが来た記事の1つが、次期大統領の勝利宣言の時に夫人が着た「ナルシソ・ロドリゲス」の黒と赤のドレスに関する475語の記事だった。 ミシェル・オバマ夫人(44歳)の外見に関するこのような瑣末なことに米国民が強い興味を抱くのは、「愚かだが、抑え難いことでもある」。ジョージ・ブッシュ大統領夫人をモデルにしたベストセラー小説『アメリカン・ワイフ』の著者カーティス・シテンフェルド氏はこう話す。「ファーストレディーとは常に無数の詮索の目にさらされるものだが、オバマ夫人はとりわけ注視の的となるだろう」。 米国社会におけるファーストレディーとは、偶像化されると同時に事細かに観察されるという奇妙な立場だ。彼女の夫は米国で最も重要な政治家で、主