それでは改めて「ダークナイト ライジング」。もうすっかり感想が出揃って逆に周回遅れになってしまった気がするけれど、一応。この映画の突っ込みどころというのはたくさんあるし、矛盾も多いが僕は全然気にならない。それは何よりこの映画が、アメリカンコミックスの映画化であり、真摯に完結編であろうとした結果であり、リアルな物語と言うよりもそれを超越した神話であろうとしたからだ。アメリカンコミックスとりわけDCコミックスが神話的であるというのは昔からよく言われている。神話は神々について詳細な設定がある一方、物語は多少の矛盾を物ともしない力強さにあふれている。僕はこの「ダークナイト ライジング」に似たようなものを感じた。勿論現実を反映した部分はある。このクリストファー・ノーランによる新しいバットマンシリーズ*1はある種リアルさが売りになっている。例えばこの世界にはバットマン登場以前にはヒーローが存在しない(