フィリピンでの鳩山邦夫・新法相のチョウ違法採取疑惑で、鳩山氏に同行した際に感電事故に遭い、今年四月に死亡したチョウ収集家、日向博美さん=当時(58)の遺族は、感電事故をきっかけに一家離散の悲劇に見舞われている。日向さんは昨年12月に鳩山氏の依頼でルソン島カビテ州の自然保護区に入り、採取網が高圧電線に触れる事故で両足を切断、日本円で200万円を超える治療費を日向さんはすぐには払えなかった。鳩山氏が日向さんに渡した治療費や見舞金は死亡時の香典を含めて150万円ほど。鳩山氏は当時、公用ビザで入国し空港で在マニラ大使館員の出迎えを受けており、チョウ採取中とはいえ、日向さんの事故は「議員の公務」に同行中に起きたともいえる。鳩山氏の対応をめぐって「政治家として誠意に欠ける」と関係者からは批判の声が上がっている。(マニラ=酒井善彦)