新型コロナウイルスが変異をしても感染を防ぐ可能性のある中和抗体を見つけたと、広島大や京都大などのチームが国際専門誌「コミュニケーションズ・バイオロジー」に発表した。変異に強い抗体は、これまでもいくつか見つかっているが、今回のものは効果のある変異株の種類が特に多いという。 重症化し約2カ月間入院した患者の体内で偶然できていた。無症状や軽症で済んだ人では自然に作られる見込みがほぼないが、少しずつ異なるワクチンを複数回打つなどして、体内で免疫反応が長く続くようにすれば、同様の抗体を獲得できる可能性がある。 広島大の保田朋波流教授(免疫学)は「新たな変異株が登場しても追加接種をしなくていいような方法を開発したい」と話している。 チームは、流行初期に欧州から流入して広がったウイルスに感染した18人の血液を分析。重症化した高齢者2人から見つかった抗体が、アルファ株やデルタ株、オミクロン株の派生型など幅