社会学的皇室ウォッチング!/131 ◇これでいいのか「旧宮家養子案」―第33弾― 2011(平成23)年秋から冬に入るころ、平成の天皇(現在の上皇さま)は、側近を通じて、重大なメッセージを発したと私は考える。皇位継承問題は一旦棚上げし、まずは「女性宮家」を実現してほしいというものだ。こうした天皇家のメッセージは、「『女性宮家』は女系天皇に繋がる」と主張する保守派に潰されてしまった。(一部敬称略) 11年10月5日、宮内庁長官(当時)、羽毛田(はけた)信吾は、首相官邸を訪れ、民主党政権の首相野田佳彦に対し、「女性宮家」創設の検討が「火急の案件」だと訴えた。内親王が結婚しても皇室に残れるような仕組みの創設が喫緊の課題と伝えたのである。 この前後から、宮内庁と内閣官房は勉強会を設け、「女性宮家」創設に向けた検討項目の協議を開始した。野田政権は12月14日、皇室典範改正に向け、有識者から意見聴取を