パニック映画さながらに、大地は揺らぎ、津波が街を飲み込んでゆく。 まさしく驚天動地のあり様が、連日連夜のニュースで報道されている。 カメラやマイクを向けられた人々は、不安で張り裂けそうな心を後回しにして、時に言葉を詰まらせながら、自分ができる目いっぱいのことをし、気丈にそのことを語る。 僕は、断腸の思いでその様をみる。 瓦礫のなかから他人を助け出したその人は、奥さんが行方不明だという。 もし、それが自分だったら、そんなことを考えたら、とてもやりきれない。 だから、せめて被災者の方々の役に立ちたいと思うけど、何もできないという妙な無力感にさいなまれている(もちろん募金はしたし、献血はするつもりだが満足できそうにない)。 しかし、僕の内心がどうあったところで、被災者の方々の状況が少したりと好転するわけではない。 そこで僕は考える。 天災という取り返しのつかない時間を共有し、心を痛めはするが、空