京都大野生動物研究センターの森阪匡通(ただみち)特定助教らのグループは3日、野生のイルカが性的な活動とは無関係に射精する様子の撮影に、世界で初めて成功したと発表した。動物の射精の仕組みなど生殖メカニズムの解明につながる可能性がある。米科学誌プロスワンのオンライン版に掲載された。 森阪特定助教らは、伊豆諸島周辺の海域でイルカの社会や音声などを研究。水中ビデオカメラを使って約40頭のミナミハンドウイルカの群れを観察し、16歳の雄が性的な活動をしていないのに射精する様子の撮影に成功した。 この雄は直前まで眠っており、人間の「夢精」にあたるとみられるという。周囲のイルカも性的な活動はしていなかった。 こうした突発的な射精はチンパンジーやウマ、ネコなどで確認されているが、イルカやクジラ、アシカなどの水生哺乳類で観察したのは初めてという。 森阪特定助教は「突発的な射精は観察が難しいが、多くの動物で起こ