臓器移植法改正案に関する十八日の衆院本会議採決では「脳死は人の死」を前提としたA案への賛成が反対を百票近く上回った。予想を上回る支持の背景には、移植改正審議を長年たなざらししてきた「政治の不作為」への負い目も働いた。ただ、脳死を容認することになお、議員の間に戸惑いも残っている。参院ではA案修正を模索する動きも出ている。 (金杉貴雄) A案が二〇〇五年に初めて国会提出されてからほぼ四年。提案者の一人の中山太郎元外相は「治療を待っている人たちは、これで救われる」と感慨深げだった。 党議拘束が外れ、与野党議員が投票行動に悩む中、A案には六割の支持が集まった。 この理由をD案支持のある自民党議員は「いずれかを可決しないと政治がなにもやっていないと批判されることを恐れたのだろう。最後はより支持者が多いA案に雪崩を打ったのではないか」と分析。衆院解散になれば、改正案はいずれも廃案となる。「各議員は選挙