ドイツ総選挙の結果、4年間続いた大連立政権に終止符が打たれ11年ぶりに中道右派(保守)連立政権が樹立される。 メルケル首相率いる保守政党のキリスト教民主・社会同盟は、躍進した野党の自由民主党と合わせた議席数で過半数を制した。メルケル首相は続投し、大連立の一翼を担った中道左派の社会民主党は下野する。 ドイツの有権者が、一見安定感がある左右の大連立よりも、自由主義を前面に打ち出す中道右派の連立政権を選択した意義に注目したい。日本の各政党、とりわけ下野した自民党には学ぶ点が多いのではないか。 米誌フォーブスの「世界で最も影響力がある女性」に4年連続で選ばれたメルケル首相の人気が、今回の中道右派連立政権を生んだ原動力だろう。メルケル首相には首相就任当初、経験不足を懸念する声もあったが、実際には労組を支持基盤としてきた社民党と政策面で妥協するしたたかな政権運営を続けた。 財政再建のために付加価値税増