2015年は、第二次大戦の終結から70年目の節目の年だ。日本のみならずアジアの各国は、この夏、各国それぞれの経験に基づいて歴史を振り返っている。中国においても、「抗日戦争勝利」を記念するパレードが9月3日に挙行予定だ。もっともこのパレードについては、日中戦争の話題それ自体よりも各国のどのクラスの代表者が出席するかの方が内外のメディアの関心が集めている点からもわかるように、その濃厚な政治性は明らかである。 過去、中国は日中間の歴史問題を極度に政治化してきた。それが長年にわたり、いまや多くの日本人にうんざりした感覚を覚えさせていることも、改めて指摘するまでもないだろう。結果、近年の日本では、たとえ日中戦争を「あやまち」だったとみなす人ですら、「現在の中国が過去の日本の『侵略』を批判できた立場か」「『過去の歴史を直視』などと厚かましいことを言う資格はあるのか」といった思いを多かれ少なかれ抱くよう