母さん、おでん56年間うまかったよ―港町の味閉店(1/2ページ)2008年12月16日16時26分印刷ソーシャルブックマーク 自慢のおでんを盛りつける小金渕房子さん=岩手県宮古市大通2丁目の居酒屋「こがねや」 「母さん、いつもの」 カウンター9席だけの4坪の小さな店内に常連客の声が響く――。岩手県宮古市の飲食店街「大通」の裏通り、おでんが自慢の居酒屋「こがねや」が、20日で閉店になる。屋台時代を含め56年、常連客から「母さん」と親しまれる小金渕房子さん(81)がひとりで切り盛りし、多くの人が集った。港町宮古の喜怒哀楽とともに歩んだ名店が、またひとつ消えていく。 小金渕さんがおでんと大判焼きの屋台を始めたのは1952年。北海道えりも町出身で、49年に兄の戦友だった夫と結婚し宮古に来た。親類も知り合いもいない地で、稼ぎの足しにとの思いだった。 屋台で11年間、商売をした。子どもが小さいころは連