タグ

ブックマーク / www.rieti.go.jp (13)

  • 政策評価で「科学風のウソをつく」方法 - 独立行政法人経済産業研究所

    政策評価と「科学風のウソ」 筆者は経済産業研究所に在籍して15年になるが、立場上からさまざまなシンクタンク・コンサルティング会社などの研究組織や大学で行われた「政策評価」を第三者評価・鑑定して欲しいと関係行政庁の担当から依頼されることがある。 個人的実感として、近年の定量的政策評価への意識の高まりとは裏腹に、依然として(悪意の有無は別として)科学的な証左を用いながら誠に不適切な「政策評価」の類が横行している状況にあると言わざるを得ず、この類の文献や報告書の中には刮目して読まなければならないものが多いことを日々大変残念に思っているところである。 当該問題は日に限った問題ではなく、Manski(2011)*により類似の問題が米国でも深刻である旨が実名入りの事例を挙げて報告されている。具体的な報告は承知しないが欧州諸国や移行経済国、中国・インドなどの途上国でも推して知るべきであろう。 稿では

  • 特別コラム「個人では超優秀な日本人が、企業体になるとなぜ世界に負けるのか;日本企業の極めて低い生産性の背景に何があるのか」

    個人では超優秀な日人が、企業体になるとなぜ世界に負けるのか;日企業の極めて低い生産性の背景に何があるのか 1 個人では超優秀な日人 OECDは、72カ国・地域の15歳児に対して、2000年から3年ごとに「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」を行っている。2015年の調査には、世界約54万人が参加、日からは198校、約6600人が参加した。その結果、 科学的リテラシー 日 第1位 平均得点538点(OECD平均493点) 数学的リテラシー 日 第1位 平均得点532点(OECD平均490点) 読解力 日 第6位 平均得点516点(OECD平均493点) となった。PISAは、人間の全ての面を正確に評価するものではないが、少なくとも、15歳時点では日人は極めて優秀であることがわかる。 2 企業体になると世界に負ける日人-極めて低い生産性- ところが、超優秀な日人が大人

    特別コラム「個人では超優秀な日本人が、企業体になるとなぜ世界に負けるのか;日本企業の極めて低い生産性の背景に何があるのか」
  • RIETI - なぜ人々はメンタルヘルスを毀損するリスクを冒してまで長時間労働してしまうのか ― 仕事満足度とメンタルヘルス、労働時間に関する検証 ―

    このノンテクニカルサマリーは、分析結果を踏まえつつ、政策的含意を中心に大胆に記述したもので、DP・PDPの一部分ではありません。分析内容の詳細はDP・PDP文をお読みください。また、ここに述べられている見解は執筆者個人の責任で発表するものであり、所属する組織および(独)経済産業研究所としての見解を示すものではありません。 人的資プログラム (第三期:2011〜2015年度) 「企業・従業員マッチパネルデータを用いた労働市場研究」プロジェクト わが国の精神疾患の患者数は、1996年の189万人から、2014年には318万人と1.7倍に急増しており(『患者調査』、厚生労働省)、メンタルヘルス対策は喫緊の課題となっている。特に、患者数の2/3は生産年齢人口にあたる15-64歳であり、職場における労働者のメンタルヘルス対策は急務である。特にわが国では、以前から過労がメンタルヘルスを毀損させる重

    kiku-chan
    kiku-chan 2016/04/12
  • RIETI - 少子高齢化対策と女性の就業について-都道府県別データから分かること-

    どうして日では女性の労働力率が他の先進諸国と比べて低く、出生率も低いのだろうか。女性労働と出生率に関しては「働く女性が増えたから子どもが減った(女性労働力率が上がったから少子化になった)」や、「子どもを産むから女性は辞める(出生率と女性労働力率は負の相関)」など、さまざまな議論が並立している。こうした中、宇南山卓FFは、都道府県別のクロスセクションデータを用いて、女性労働と結婚をめぐる問題を経済学の最大化問題に帰着させることにより、その因果関係を明らかにした。 現在では、結婚・出産をする人が多い都道府県の方が女性労働力率は高い。これは、過去25年間で結婚による離職率が高い都道府県ほど結婚経験率が大きく低下した結果だ。少子高齢化に対応するには、女性の結婚・出産による離職率を低下させることが重要だ。また、離職率を引き下げるには保育所の整備が有効で、育児休業制度や3世代同居率との関連は低いと指

    kiku-chan
    kiku-chan 2011/12/03
  • [PDF]女性の統計的差別とその解消への道筋:賃金の男女格差とその不合理性について

    女性の統計的差別とその解消への道筋: 賃金の男女格差とその不合理性について 山口一男(シカゴ大学教授、RIETI客員研究員) 2 基的観点と目的 • (1)女性差別を日の雇用と賃金制度の問題とその結果と いう限定した枠組みの中で考える。以下「差別」とは直接及 び間接的に雇用、昇進、及び賃金の機会に関して不平等を 生む社会的メカニズムをいい、結果の差のことを意味しない。 • (2)女性差別の根源に統計的差別の問題があると見、企業 にとって合理的か否かという点を議論することを主たる目的 とする。 • (3)計量的実証分析と理論的議論を併立させる。計量的にう まく実証できない部分の男女の賃金格差が大きいことをまず 示し、わが国における先行事例研究の成果と、経済学理論、 特に統計的差別に関する理論、との整合性の高い理論的説 明を試みる。 • (4)わが国における、高い離職率を理由とする女性の統

  • RIETI - ものづくりにおける深層の付加価値創造:組織能力の積み重ねと意味的価値のマネジメント

    の製造企業の多くが、技術・商品開発やものづくり能力は高いにもかかわらず、それを高業績に結びつけることができていない。DVDや薄型テレビなど、日で開発された新技術が満載された商品でも、モジュール化の進展にも伴い、すぐに模倣されてしまう。研究は、模倣されることなく持続的な付加価値創造を実現するための条件を、相互に関連する2つの視点から議論する。第1に、商品の差別化や特許よりも、「組織能力の積み重ね」が独自性を持続するためには重要だという点である。これについては、日を代表する総合電機企業2社において、長期間にわたり高い業績に貢献している86の技術を分析した実証データを提示する。第2に、高い商品価値を持続するためには、数字で表される機能やスペックによる「機能的価値」だけではなく、「意味的価値」を創出することが必須だという点である。意味的価値とは、たとえば、消費財であれば、顧客のこだわりを

  • RIETI - 開かれたものづくり論とその応用

    隆宏 経済産業研究所ファカルティフェロー/東京大学大学院経済学研究科教授/東京大学ものづくり経営研究センターセンター長/ハーバード大学ビジネススクール上級研究員 長引く不況や米国追随論、中国脅威論の中、日の産業全体が自信を失ったかに見えた世紀の変わり目に、筆者は「日には歴史的経緯等により統合型のものづくり組織能力を持つ優良な現場が偏在しており、その能力と相性の良いインテグラル(擦り合わせ)型のアーキテクチャ(基設計構造)の製品を作る産業・企業は概して強い」との仮説を示した。 この主張は、設計論と産業競争論を結合する「開かれたものづくり論」に基づき、現場の組織能力(設計情報の良い流れをつくる組織ルーチン体系)と財・サービスのアーキテクチャの適合関係が競争力をもたらすという「設計の比較優位説」に立脚する。よって、能力構築の怠りなき現場・企業・産業にのみ適用される仮説である。また、顧

  • RIETI - 藤本 隆宏

    1979 三菱総合研究所入社 1989 ハーバード大学研究員 1990 東京大学経済学部助教授 1996 リヨン大学客員教授、INSEAD客員研究員 1996 ハーバード大学ビジネススクール客員教授 1997 同大学上級研究員 1998 東京大学大学院経済学研究科教授 2004 ものづくり経営研究センターセンター長 『製品開発力』キム・クラークと共著, ダイヤモンド社,1993 『生産システムの進化論』有斐閣, 1997 『サプライヤーシステム』西口敏宏、伊藤秀史と共編著, 有斐閣, 1997 『成功する製品開発』安雅典と共編著, 有斐閣, 2000 『トヨタシステムの原点』下川 浩一と共著, 文眞堂, 2001 『ビジネス・アーキテクチャ』武石彰・青島矢一と共編著, 有斐閣, 2001 『生産マネジメント入門 (I) (II)』日経済新聞社, 2001 『能力構築競争』中央公論新社,

  • RIETI - 人工物の複雑化とものづくり企業の対応―制御系の設計とメカ・エレキ・ソフト統合―

    稿では、現代における「製品の複雑化」という問題を、設計論の観点から探索的に考察する。具体的には、企業が市場に供給する製品を、「人工物」(設計されたもの)と解釈し、それが複雑化・簡素化する諸要因と企業の対応について分析する。 一般に顧客の要求機能や社会的な制約条件(環境・安全対応など)が高度化・複合化すると、モジュラー化による対応は難しくなり、製品はインテグラルかつ複雑なものになりやすい。 こうした「製品=人工物」の複雑化に対して、企業は複数の補完的なアプローチで対応している。(1)まず、製品アーキテクチャのモジュラー化が複雑化に対抗する有力な手段とされるが、何らかの理由で徹底したモジュラー化が難しい製品の場合、(2)従来型の、実物試作により機能検証を行う試行錯誤的な製品開発の能力を高めることに加えて、(3)開発支援IT(たとえば3次元CADなど)を活用した試行錯誤的なデジタル開発、(4)

  • RIETI - 人工物の複雑化とコーディネーション

    近年、モジュール化に代表される製品アーキテクチャのあり様が、産業組織や企業戦略、企業組織にどのような影響を与えるのかという研究課題が、経営学者・経済学者の少なからぬ注目を浴び、研究が蓄積されてきた。経済産業研究所(RIETI)は発足当初から、この研究の日における中心としての役割を果たしてきており、たとえば最近に限っても、藤(2005)、大鹿・藤(2006)、延岡・伊藤・森田(2006)などのディスカッション・ペーパーがウェブサイトに掲載されている。 これらの研究によれば、日の企業組織は、統合・摺り合わせ能力に優れており、IBM/PCのようにモジュール化された産業に対してはあまり適合的でなく、自動車のようにインテグラル型の製品において競争力を発揮しているということがわかってきた。しかし他方では、半導体産業に代表されるサイエンス型産業において、日企業が国際競争力を失いつつあるとの危機

  • RIETI - 情報時代の社会秩序──ポストモダン論の視点から

    的に“ポスト”というのは未定義の言葉です。D.Bellの「脱工業社会の到来」というが1973年に出ていますが、そのは「社会学の分野では、我々がその到来を迎えつつある時代を総括的に定義するため、広く脱ポストという言葉を用いているが、この言葉ほど我々の停滞感や空白時代感を鋭く象徴しているものは他にあるまい」という言葉で始まっています。そして、このの中で、「ポスト歴史」「ポスト産業」「ポスト福祉」とか20種類以上の「ポスト」という言葉を挙げています。 つまり、1960年代から70年代にかけて、ポストとは未定義の空虚感をあらわす言葉だったといえます。「ポストモダン」という言葉は最初からかなり空白の言葉だったわけです。ですから、この言葉が何かの主張をあらわすというよりも、1970年代以降の社会的、文化的変動を幅広く捉える言葉として流通していったということになります。そして、これと結びつけて

  • RIETI - モジュラー型製品における日本企業の競争力――中国情報家電企業における組み合わせ能力の限界

    企業はインテグラル(擦り合わせ)型製品をつくる力は、当に素晴らしいものがあります。しかしモジュラー型製品が増えている現状をみると、擦り合わせ型でしか勝てないというのでは困ります。そこでモジュラー型製品でも競争力を持ち、利益をあげるためにはどうすればよいのか、ということに取り組むためにこの研究を始めました。 中国企業はDVDプレイヤーなどで一気に世界のトップメーカーになりました。しかし、中国のモジュラー型製品でも競争力が高いものもあれば、低いものもあります。何が競争力の高低を決定しているのか、中国の例も参考にしながら、モジュラー型製品における日企業の競争力を高める方法を考えたいと思います これまでの議論では、モジュラー型製品は組み合わせ能力、インテグラル型製品は擦り合わせ能力が求められていて、擦り合わせ能力が高い日企業は、インテグラル型製品には強いがモジュラー型製品では弱いというこ

  • RIETI 経済産業研究所 - 小林慶一郎のちょっと気になる経済論文

    このコーナーは、小林慶一郎ファカルティフェローが、経済学の学術論文や経済学書などについて、現在の経済情勢や経済政策の観点から重要だと思われるものを、独自の視点からピックアップ! 経済学を学ぶ大学院生に向けて、内容の紹介や論文の意義を解説していきます。 2016年10月 4日 第15回「なにが期待の長期的な変化をもたらすのか? 金融危機が長期停滞を引き起こすメカニズム」 小林 慶一郎/ マスターくん 2015年12月 9日 第14回「合理的バブルとしてのデフレ均衡とリフレ政策の有効性」 小林 慶一郎/ マスターくん 2014年11月 7日 第13回「A Model of Secular Stagnation」 小林 慶一郎/ マスターくん 2009年11月 4日 第12回「知的財産権の強化は、知識の創造や蓄積を阻害する??」 小林 慶一郎/ マスターくん 2009年3月 5日 第11回「金融

  • 1