<ナチスに立ち向かった「白バラ抵抗運動」のゾフィー・ショルは外国では無名だがドイツでは誰もが今なお崇拝するヒロイン> 数年前、僕はある新聞記事を読んで興味を引かれた。それは、さまざまな国でヒーローとみなされているのにその国の外ではほとんど知られていない人々について書かれたものだった。その中で(イギリスでは)「ほぼ無名」だがドイツでは崇拝され、特に若い女性たちに尊敬されているゾフィー・ショルについて触れられていたことをよく覚えている。 僕はゾフィーや、彼女の所属していた白バラ抵抗運動のことを知っていたから、かなり得意な気持ちになった。僕が大学で歴史を学んでいたとき、(何かのついでに)彼女のことを読んだのだ。思い返せば、その週の課題は「ナチスに対する積極的抵抗運動はなぜあんなにも少なかったのか」だった。僕の歴史のチューター(学生の個人指導にあたる教授)が、「消極的抵抗を呼び掛けるわずかなビラで