企業と投資家の双方が、「利益」にばかり目を向け、企業の存続に欠かせない営業キャッシュフローの推移を注視しなかったことが、企業の破綻を招いた――。 前回に続き、林總氏と、黒木亮氏の2人が、現代の企業経営を蝕む「粉飾」の実態に迫ります。 林氏は単行本『会計課長 団達也が行く! 物語で学ぶ会計と経営』の中で粉飾がどのように企業に蔓延していくかを、会計士としての実体験をもとにリアルに描きました。また、黒木氏は小説『エネルギー』で石油デリバティブの不正会計を描いています。 粉飾が横行する背景には何があるのか? 粉飾を見抜くにはどこに注目すればいいのか? 粉飾を減らす手立てはあるのか? 会計実務のプロと国際金融のプロというそれぞれの立場から、率直な意見を戦わせていただきました。 企業の存続には現金が必要 編集部 最近では四半期ごとの利益が過度に重視されているように思えます。そうした市場のプレッシャーは