イタリアの図書館事情 2009年8月,第75回世界図書館情報会議(WLIC):国際図書館連盟(IFLA)総会がイタリア・ミラノで開催される。これに先立ち,イタリアの図書館事情を,とりわけ図書館協力に焦点を当てて紹介する記事が,IFLA Journal誌35巻2号に掲載されている。この記事をもとに,イタリアの図書館の現況を紹介したい。 イタリアには,「国立」の名を冠する図書館が8館存在する。統一国家としてのイタリア王国が成立した1861年以前に各王国の国立図書館であった図書館や,それに準ずるものとして統一後に未設置地域に設立された図書館などである。このうち,「中央」の名を冠し,現代的な意味での国立図書館の機能を有しているのが,フィレンツェとローマの2国立中央図書館である。 フィレンツェ国立中央図書館(BNCF)は1714年,フィレンツェの学者が市に遺贈したおよそ3万点のコレクションをその起源
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